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「マジでサンキューな!...あ、これが俺のそのぉ...彼氏になる予定の翼だ。」
智の家に着き、上がるなり恥ずかしそうに相手を紹介された俺は既にオエな気分だが、顔だけはなんとか取り繕う。
「初めまして、永松 翼です。変な事お願いしてしまってすみません。」
そう挨拶してくれた翼は、自分達より2つ年上で、一見すると眼鏡がよく似合う真面目くんに見え、とても智を抱く様な人物には見えず俺は思わず聞いちまう。
「マジで智を抱くんすか...?余計なお世話かも知んねぇけど、どちらかと言えば翼さんが下のが良さそうに見えっけど...。」
俺の問いに翼さんは苦笑してる。何が可笑しいんだか。
「...お恥ずかしながら、痔主でね...。ちょっと不可能かなと...。」
翼の返答に俺は成る程と納得したが、巫女は意味が分かんねぇのかキョトンとして、俺の裾をクイクイ引っ張り、小声で聞いてきた。
「...ねぇねぇ正ちゃん、何で地主さんだとダメなの?...地位とか職種によってしちゃダメとか決められてるとか...?」
「巫女、地主じゃなくて、痔主だ。」
「......ん?...何が違うの?」
「......ケツに痔を持ってる、痔の主で、痔主だ。」
正ちゃんの説明で漸く僕はああ、成る程!と納得した。それじゃ痛いからやだよねって、それは納得したけど、翼さんに念の為、聞いてみた。
「...あの、本当に見ちゃって良いんですか?...人に見られながらするの、大丈夫なんですか...?」
「...出来れば2人きりでしたかったけど、男性相手に経験が無いうえ、受け入れる方まで必然的に智に押し付ける形になっちゃったから...。智がそうしたいなら、こっちも譲歩しないとね。なるべく苦痛がないようにしてあげたいし」
苦笑しながら言う翼さんに僕はジーンとしちゃって、真剣な面持ちで言った。
「翼さんにその気持ちがあれば、きっと大丈夫だと思います。僕も智君の痛みが少しでも軽くなるように尽力します!」
ガッツポーズで意気込む巫女を見て俺は苦笑する。巫女は本当にお優しいこった。
「...じゃあ始めますか、」
緊張した面持ちでそう言った智を見て、僕は正ちゃんの服をキュッと握った。
頑張れ!智君っ!!
心の中で何度もそう呟く巫女都は、智よりも緊張しているようだが、方や正太郎は、
...うげぇ、...ザ・野郎同士のキスシーンなんて見れたもんじゃねぇな...。省けよ。
智と翼がキスを交しているのを見て正太郎は心の中でそう思っている。
ぴちゃぴちゃと長く続くキスにいい加減うんざりした頃、俺は2人に声をかけた。
「...そこ、レクチャー要らねぇんだから、次行けよ。」
「 正ちゃん!!...初めてのエッチなんだから絶対必要だよ!!ごめんなさい、気にしないで続けて下さいね。」
いや、要らねぇだろとハァとため息を吐くと、巫女は寄り掛かりながら小声で話してくる。
「...僕も、正ちゃんと初めての時、キスしながら正ちゃんに全部捧げる覚悟決めていったんだ...。未知だし、そうやって気持ち高めていかないと、恐怖で逃げ出したくなっちゃいそうで。...きっと今、智君もあの時の僕と同じ気持ちだと思う。...だから、気長に待ってあげよ?ね?」
自分達が初めて身体を繋げた日の気持ちを鮮明に思い出した僕は、智くんの心情が痛いくらいに分かって正ちゃんに縋るような瞳で頼んだ。
そんな巫女を見て、俺は苦笑する。息いつすんの?と色気もへったくれもない事を聞いてきたあの日の巫女は、そんな事を思ってたんだなって。
「...やっぱ、巫女連れてきて正解。俺には今の智の気持ちは分かんねぇから。でも、俺も巫女を初めて抱いた日の事、思い出したよ。巫女の手に力が入る度に、痛てぇんじゃないかってビビって不安になったな...。んじゃ気長に待ってやりますか。」
「 ふふ、正ちゃんありがと!大好きっ!」
巫女都は笑いながら正太郎にチュッと軽いキスをした。
「 あー、巫女...? 今度またさ、あの時みたいに手、縛らせてくんない...?」
「...ん? 心配しなくても、もう正ちゃんの事投げ飛ばさないよ?」
「...いや、心配してる訳じゃ無くて、...プレイ的な?」
「ん...?...何かよく分かんないけど別にいいよ?」
よしっ!!とガッツポーズを決める正太郎を見て、プレイがなんの事だか更々分からなかった巫女都は、初めての日を思い出した正太郎が原点に帰り着きたくなったのだろうと思い、ほんわかした気持ちになっていた。
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