アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
103
-
正太郎は脳内検索をものの数秒で終了した。
...ダメだ。俺の辞書に他人を慰める言葉は載ってねぇ。...しゃあない、天使降臨させるか。...ハァ、禁欲延長決定だな...。
既にやる気満々なのに渋々部屋に入ると、巫女に服を着せて目隠しを取り、手首の拘束を解いてやる。
「 ん?...正ちゃんどうしたの?」
「 あー、智来てんだけど、...振られたらしい。」
「...うそ」と悲愴な顔で言うと、巫女は部屋のドアを開けて智を迎え入れたから、俺も仕方なく諦める。
「........智くん。」
「...巫女ちゃん、折角レクチャーしてもらったのにこんな事になっちゃってごめんね。」
苦笑いでそう言う智に巫女都は一層悲愴な顔をしてその手を取った。
部屋へ入ると智は、男同士ではやはり不毛だという事、SEXの面においても女性と行うより、下準備や行為その物に手間が懸かる事等を理由に翼に断られたと話してきた。それを聞いた巫女都は蒼白になり俯き、正太郎は憤怒する。
暫く三人で話をしていたが、智の携帯に着信が入り、通話を終えるとからからと明るい声で言った。
「可愛い女の子から呼び出しだ!人肌で慰めてもらう事にするよ!...色々悪かったな。感謝してる。」
そそくさと部屋を後にする智を玄関まで見送った巫女都は、部屋に戻るなり正太郎にギュッと抱きついた。
「......あんまりだよ。智くんあんなに頑張ったのに。」
「...だな。でも、あんなくそ野郎と長く付き合わなくて逆に良かったのかも知んねぇじゃん」
「.....そうだけど。理由が納得出来ない。不毛って...。...同性同士の恋は不毛?お互いに好きじゃ...それだけじゃダメなの...?」
震えながら言った巫女のセリフは、まるで自分たちの事を聞いてるみたいで、俺は抱き締める手に殊更力を入れる。
「皆が皆、それに寛容じゃねぇかも知んない。でも、俺たちはそれでいいじゃん。俺は巫女が居んなら他はどーでもいいよ。」
「.....正ちゃん。うん。僕も他は望まない。」
顔を上げ、綺麗な笑顔で言う巫女の顔に迷いは無かった。けど、直ぐ何かを思い出したように困惑の表情をしたかと思ったら、おずおず尋ねてきた。
「...ねぇ正ちゃん、あのさ、...正ちゃんも思ったりする?......エッチするのに、女の子の方が手間かからなくていいなっ.....て、」
その言葉を聞いた俺は、そんな事を心配してんのかとくつくつ笑いながら巫女を組み敷いた。
「思わねぇよ。んな事、考えた事もねぇ。巫女が俺の手で感じて、恥ずかしそうにしてんの見てんの、超ー楽しいし、興奮すっから!...続き、してもいい?」
俺の言葉に一瞬でボッと顔を赤らめた巫女が、はいと両手を差し出してきて、ん?と困惑すると「 縛らないの?」と巫女がキョトンと聞き返してきたから、今日はいいやってそのまま手を握ってキスをした。
今は凌辱気分を味わうより、抱き締めて抱き締め返されたい。巫女都の手が俺を抱き締める強さに、必要とされてる実感が欲しいと思った俺は、智の話に少なからず自分も恐れを感じたのだろうとなと内心苦笑した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
103 / 217