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揃いの指輪を嵌め、支度を終えていざ家の外へ出ると道行く人の視線が突き刺さり、巫女都は俯きながら歩を進める。
...ふえーん、僕露出狂みたいじゃんっ。皆さん、下にホットパンツちゃんと履いてますよー。
巫女都は誰にも聞こえない呟きを心の中で唱えてる。
電車に乗ってもそれは変わらず、正太郎は鉄壁のガードで巫女都を抱き込んでいた。周囲を威嚇している正太郎と対照的に、巫女都はにこにこしてる。
「この格好恥ずかしいけど、外でこんなに正ちゃんとくっ付いて居られるのは凄い嬉しい!」
巫女都の言葉に正太郎は苦笑し思う。
...俺はめちゃめちゃ眼力使って大変だよ。眼精疲労ですよ。
「 わぁ!可愛い~。見て正ちゃん!早くぅ~!」
「 巫女、走んな!追い付けねぇ!」
漸く着いた夢の国で巫女都は盛大にはしゃぎ、正太郎を置き去りにしたのを呼び止められて苦笑いしながら戻ってきた。
「さてさてカチューシャ買おうぜ」
着いて早々カチューシャを買うと、それを巫女都の頭に付けて正太郎はうんうん頷く。
「 どう? 変じゃない?」
はにかみながら聞く巫女都に「良い!!」と大きな声で正太郎は絶賛した。
「やっぱ夏休みだから混んでるねぇ~。何処から行く?」
マップを見て、キョロキョロしながら聞く巫女に俺は巫女の行きたい所でいいよと答えたが、内心思ってる。
...目的は達成したし、ぶっちゃけここにもう用はねぇな...。巫女凄げぇ楽しそうだから口が裂けても言えねぇけど...。
「 じゃあ、正ちゃん歩くの大変だから、近場から回って休み休み行こ?」
俺の服の裾を掴み、上目に見上げてくる巫女にドキッとした。
「...ちょっと、一回ちゅーしようか。」
「 っ!? な、なに言ってんのっ!?しません!!」
赤面しスタスタと先を歩き出した巫女を俺は慌てて追う。
途中でポップコーンを買って正太郎の首にかけたり、昼のパレードを見たり2人で写真を撮ったりと巫女都はこの上無く楽しんでいた。
キャプテンフックス・ギャレーのテラス席で少し遅めの昼食にピッツァを食べていると、巫女はここでもマップを見ながら次に行く所を考えニコニコしていて、俺は疲労と暑さで既にグロッキーだ。
「...正ちゃん疲れちゃった?足痛い?」
「...足は痛くねぇけど、松葉杖って脇が痛てぇな」
「...そっか。ごめんね、僕、はしゃぎ過ぎちゃってあっちこっち連れ回しちゃって...。そろそろ帰ろっか。」
まだ何処か行きたい所があるんじゃないかと聞く正ちゃんに、僕はにっこり笑って首を振るともう十分と言った。
「お土産買って帰ろ?ここのチョコクランチ大好き!」
「暑ぃから溶けんじゃねぇの?」
「かなぁ?...んー、でも、やっぱ買って帰る!」
一瞬迷ってからそう答えた巫女に俺はハイハイと笑いながら返事をし、土産物屋に入った。
可愛い、可愛いとアレもコレも欲しがる巫女を俺は諫めながら歩いて回ったが、結局大きな袋を2つ提げて帰る事になった。
帰りの電車は空いていて、2人並んで座り手を繋ぐと巫女都はその手を掲げて眺め、正太郎を見てふふと笑う。
「 やっと手、繋げた!」
俺は嬉しそうな巫女の頭をポンポン撫でる。
「 足、治ったらまた来ような。そん時は手繋いであん中歩こ。」
「 うん!正ちゃん、約束だよ?」
指切りのポーズで小指を出す巫女の指に小指を絡め俺は、ああ約束と約束をした。
暫く電車で揺られていると、巫女がウトウトしだしたのを見て、俺は巫女の頭をトンと自分の肩に寄り掛からせた。
周りを見渡し誰も見ていない事を確認すると、スースー寝息をたて始めた巫女の額にチュッとキスを落とし笑う。
ほら、デコちゅーしやすい。
疚しい考えからディズニーランド行きを決めたが、巫女の幸せそうな顔を見ていたら連れて来て良かったなと俺の胸はほっこりしていた。
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