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「う"ーっ寒いっ!!」
「たく、冬産まれのくせに巫女は本当に寒がりだな...」
「...3月は暦の上では春ですぅ。ん~本当、寒い!!」
11月も差し迫った日、二人で病院へ行く途中、巫女都はその寒さに一層正太郎にくっついて歩く。
本当なら先月ギプスが外れる予定だったが、あの事件で二人揃って骨折箇所を更に損傷させた為延長となり、今日検査をして問題が無ければギプスが外れる予定になっている。
病院に着いて二人順にレントゲンを撮り、先に正太郎が診察室に呼ばれた。
「 やぁ。ちゃんとおとなしくしてたかな?」
「 ...はいはい、御言い付け通りおとなしくして居りました。...で、どうよ?」
柔和な笑みで言う藤堂に正太郎は相変わらず不遜な態度だ。
「うん、良さそうだ。ギプス外すからそこに寝てね。」
藤堂の指示に従い診察台の上に横になると、藤堂がギプスカッターを持って来たのを見て正太郎はギョッっとする。
「 なにそれ、電ノコ!?...つか、んなもんで切んの?俺...、あんたの事そこまで信じらん無いんだけど...。」
「 はは、相変わらず正直だね。大丈夫、私じゃなくて看護師がやるから」
ギプスが外されるまで正太郎は思いの外ドキドキしてしまい、その様子を見て藤堂はずっと笑っていた。
「 当分はサポーター巻いてリハビリに通ってね。あ、外したギプスは持って帰っていいよ」
「...え、全然要らねぇ...。凄げぇ邪魔だし、持って帰るのうぜぇ...。」
「 ふふ、記念だよ。」
正太郎と入れ代わりに巫女都が呼ばれ、同じ様にギプスを外しと、藤堂はギプスの外れた腕を少し撫でる。
「 巫女都くん、こちらへおいで。ずっとギプスだったから気持ち悪いだろう。」
藤堂は白衣の袖を捲ると温かいお湯で巫女都の右腕を丁寧に洗う。
「...左腕より少し細くなってしまったね。手首なんて強く触れたら折れてしまいそうだ...。」
「 ふふ、今ギプス取れたばかりなのに、縁起でもない事言うんですね?」
「 本当だね、すまない。君もリハビリにちゃんと通うんだよ?このギプス、私が貰ってもいいかな?」
柔和な笑みで言う藤堂に巫女都はキョトンとしながら構わないですよ。と言うと、にっこりありがとうと言った藤堂は嬉しそうだ。
「 来月の巫女神楽、巫女都くんが舞うのかな?」
「 大祭式例祭のですか?...一応その予定ではいます」
「 そう。じゃあ、楽しみにしてる。休みを取って必ず観に行くから。」
一層の笑顔でそう言った藤堂に、お待ちして居ります。と巫女都は杓子定規に答えた。
待合室で待っていた正太郎と一緒に帰る時、来るときには持っていなかった紙袋を正太郎が持っていて巫女都は疑問に思いそれなに?と聞く。
「ん? ...ああ、ギプスだよ。記念だとよ。巫女のは?」
「 藤堂先生が欲しいって言うからあげた。」
「 ...あのクソ変態やろう。オブジェにでもする気か?気持ち悪りぃ。...にしても、足痒いし臭ぇ!帰ったら即行風呂だなっ!巫女も腕痒いだろ」
「さっき藤堂先生が洗ってくれたよ? 腕だからかな?」
不思議そうに言う巫女都の言葉に、正太郎は絶対に違うと思った。
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