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巫女都は迫る、大祭式例祭の巫女神楽の練習を早朝からしている。
漸くギプスが外れ、右手は使える様になったものの、真鍮でできた重さ約3㎏の神楽鈴がやたらと重く感じられて、以前のように軽やかにそれを扱えず納得のいく神楽舞いを舞えずにいた。
しかも今回は神社にとっての年中行事の中でも、一番重要とされている大祭式例祭での巫女神楽ということで、巫女都は殊更、妥協を許さなかった。
「 ...駄目だ、上手くいかない...。コレ、こんなに重かったかなぁ。...よしっ、もっかい!」
暖房も入れていない板の間で練習をしていた為、足袋を履いているとはいえ、巫女都の足は深々と冷えている。
「...はよーさん。まーだやってんのか?つか寒っ!....暖房入れろよ。」
戸を開け放ったままの板の間の寒さに、迎えに来た正太郎がそう言うと巫女都は苦笑いで答えた。
「 おはよ。本番と同じ条件で練習しないと、かじかんだ手で神楽鈴捌けなくなっちゃうから...。ごめん、直ぐ支度するから待ってて?」
制服に着替えた巫女都が来ると、正太郎はパッとその手を取り自分の手と一緒にポケットに入れた。
「...相変わらず冷てぇ手だな。夏は良いけど冬は巫女の手触んの躊躇しちまうよ...」
「 えー、やだ!! 正ちゃんの手で暖取らなかったら僕の手動かなくなっちゃうよ...」
「 ハイハイ。しっかりカイロやらせて貰います。」
拗ねる巫女都に正太郎は笑いながら言う。お互いやっとギプスが取れ、負傷する前と同じ様に手を繋いで歩ける事がこの上無く嬉しかった。
ただ、大祭式例祭を控えた今、巫女都は例の如く例祭日程の10日前から禁欲を申し出ていて現在禁欲真っ只中なので、巫女都のその冷たい手を取る度、正太郎は湧き上がる色欲を抑えるのに苦戦を強いられてはいる。
「...はぁ、明後日かぁ。もう直ぐだ...。」
...例祭終わったら、イヤって言う程やりまくろ。どうせ来月も年末大祓で禁欲って言われるだろうし...。
正太郎には神社の年中行事スケジュールがその祭事10日前からそっくり禁欲になるので、すっかり頭に入っていた。
「...明後日かあ。もっと練習しないと...。まだ右手上手く捌けないんだ...。」
「...ふーん。リハビリがてらに手コキしてくんない?」
「なっ!?しません!!」
顔を真っ赤にしてそっぽを向いた巫女都に正太郎はからから笑う。
「 冷てぇなぁ!俺の上手く捌けるようになったら、神楽鈴も上手く扱えるだろうっつー親切心じゃねぇか。」
「 小さな親切大きな御世話!!...大体アレ、神楽鈴捌く動きと似ても似つか無いし。」
「 どんな動きだっけ?」
「こう、....っ....正ちゃん!!」
ついつい乗せられ手淫の動きを真似てみた巫女都が、ハッとそれに気付き、恥ずかしそうに怒るのを正太郎は更に笑った。
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