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「 わぁ!! 正ちゃん見て見てキラッキラ!! 」
クリスマスシーズンに突入し街中は、イルミネーションで溢れている。放課後、寄り道をして帰ると最寄り駅もイルミネーションで飾られて煌びやかで、それをウットリと眺めながら僕は思う。
「 神社もイルミネーションで飾ればいいのにな。」
「...イヤ、駄目だろ。神社がピカピカしてたら引くわ。」
正ちゃんがそう言うから僕はキョトンとしちゃう。そう?って聞いてから想像したけど、綺麗だし良いよなって思ってた。
「もうすぐだねクリスマス!正ちゃんクリスマスはここ数年居なかったけど、今年は一緒に居られる?」
去年まではころころ変わる彼女とクリスマスを過ごしていた正ちゃんが、今年は自分と居てくれるのか、少々不安だったからそう聞いてみる。
巫女はなんだか不安げで、俺は苦笑いしながら巫女の頭を撫でた。
「 たりめぇだろ。他に誰と居ろってんだよ。」
俺の返答に「よかった〜」とにっこり笑った巫女を見て俺も笑い返したけど、実は懸念してる事がある。
12月28日に巫女の所の神社では年末大祓という神事があって、6月にやった夏越大祓と同じように、茅の輪をくぐり半期の穢れを落とすというものだけど、神事の日付けの10日前から禁欲を言い渡されるとなると、イブもクリスマスも禁欲を強いられる事は決定事項だろう。
「...精なる夜がやってきますなぁ。」
「そーですなー。ふふ、聖なる夜って。正ちゃんの口から聞くとなんか変!」
巫女都さん、(精・聖)漢字違いですよー。クリスマスなんかどーでもいいが、何としても二夜連続やりてぇ!!
ここは一つ聞いてみるかと、俺は巫女にずはり聞いてみる。
「.....巫女、年末大祓の前、禁欲するの?」
「やだ、正ちゃん。大祓だよ?当たり前じゃん!最低でも10日前。」
然も当然の様に笑いながら答えた巫女。俺はやっぱりねと肩を落としたが、諦めずに泣き落としを決行した。
「...年末大祓の10日前から禁欲してたら、俺達がクリスマスに普通の恋人達の様にイチャラブチュッチュする事は一生無いね...。恋人同士の一大イベントで俺との仲を深めるより、巫女は穢れを祓いたいんだもんね...」
「...そ、そうじゃないけど...」
その言葉に困惑した様子の巫女を見て俺は内心ほくそ笑む。
効いてる効いてる!!...後一押しだな。
「...しゃあねぇよな。愛情深めたかったけど我慢するよ。.........一生。」
「 ......正ちゃん。分かった、クリスマスだけ...解禁する...」
凄くしょんぼりしてる正ちゃんを見てたら心が痛んでそう告げたら、正ちゃんがバッと僕を見てきた。
「 イブもだ!24日25日、セットでクリスマスだっ!その二夜以外は断じて触らん!!約束するっ!!」
「 わ、わかった...。」
その余りの勢いに驚き、圧倒された僕は正ちゃんの要求を思わず飲んだ。
「 シャアッ!!ありがと~、ありがと~っ!!」
ガッツポーズをしたと思ったら空に向かって感謝の言葉を言いながら手を振る正ちゃん。何だろって僕は訝しげな顔で空を見上げて正ちゃんが手を振ってるものをキョロキョロ探す。
「 正ちゃん、誰に手、振ってんの......?」
「 サンタっ!! 」
「 えっ!?どこっ!? 」
クリスマスへの期待に我を忘れて奇行に走った正太郎を、道行く人が揃って残念なイケメンだと思っていた。
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