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龍二と手を繋いで帰り、家の前まで来て巫女都はハッと何かを思いだし龍二に向き直った。
「 龍ちゃん、さっき真田さんに会った事正ちゃんに言わないで?」
「 はは、そりゃ出来ない相談だな!巫女都も可愛いが甥っ子も可愛いんでね。...それに、また会いに来るって言ってたから、言っといた方が身のためだぞ?後々バレたら正太郎の事だ、暴れるだろう」
「 う"っ.....。」
渋い顔をする巫女都の手を笑いながら引き、龍二は家に入った。
リビングに入ると、手を繋いでいる二人を見て正太郎はギョッとする。
「 んで、手ぇ繋いでんだよ!!いくら龍にぃでもダメだろ!!」
「固い事言ってんじゃねぇよ。俺も美桜貸してやってんだろ?」
「 美桜ははじめからパパのものじゃありませ~ん!正太郎のものですぅ~!」
正太郎の首に腕を回しながら言う美桜の言葉を聞いた龍二は、ガバッと巫女都に抱き付いた。
「 巫女都ぉ~手塩に掛けて育てた娘が凄い冷たい~!」
「 よしよし、龍ちゃん泣かないの。」
「 だあっ!!巫女にくっつくんじゃねぇっ!!」
イライラした正太郎はポイッと美桜を放り、巫女都と龍二を引き離す。すると途端に美桜が泣き出した。
「うわ~ん!!正太郎が意地悪したぁ~!巫女ちゃんのばかぁ~っ!!」
「 え!? なんで僕!?」
巫女都と正太郎がおたおたすると龍二がひょいと美桜を抱き上げる。
「 眠くなったんだろ。無駄に朝早く起きてたから。お前ら上あがれ。...あ、そうだ。正太郎、巫女都駅前で盛大な告白されてたぞ?彼氏いても諦められないからまた会いに来るってよ。」
「 りゅ、龍ちゃん!? 」
慌てふためく巫女都の肩を正太郎はポンッ叩く。
「 上でゆっくり話そうか?来い!!」
「 やだぁー!正ちゃん怒ってるもん!!ふえ~ん、龍ちゃんのバカ~!!」
巫女都を引き摺る様に部屋へ連れて来た正太郎は不機嫌丸出しだ。
「 誰に言われたんだよ。」
「.....この前、合コンの帰り送ってくれた人。」
「 あいつか!! なんもされてねぇだろうな!?」
「 うん。龍ちゃんが彼氏のふりしてくれたから。」
巫女都の言葉に面白くない顔をした正太郎が、くどくどと説教を始めた。
ふふ、正ちゃん妬き持ち妬いてる。よかった。
そんな事を思いつい笑ってると、正ちゃんに手刀を食らわされる。
「 痛っ!」
「 怒られてるのに笑ってんじゃねぇっ!」
「...だって、正ちゃんが妬き持ち妬いてくれてるのが嬉しくてつい...」
僕が苦笑いで答えると、正ちゃんはなんだそりゃとほとほと分からないといった顔をしてる。
「正ちゃん、美桜ちゃんばっかり可愛い可愛いって言って構うからちょっと寂しかったんだもん...」
「...だから、子供と張り合うなって。」
「 美桜ちゃんは子供だけど僕には最大のライバルだよ!正ちゃんが僕の事そっちのけで構うのなんて今は美桜ちゃんだけだもん!」
はっきり言い切る巫女都に正太郎は苦笑しながら頭を撫でた。
「...正ちゃん、チュウしたい」
「 はいはい。流石に美桜にはチュウ出来ないもんな。」
「 なにそれ?...美桜ちゃんにしたいけど出来ないから僕でいいやって事?やっぱしない!」
膨れっ面でそっぽを向いた巫女都を正太郎は抱え上げて自分の膝の上に乗せると抱き締めた。
「 違げぇよ。巫女にしかしたくないって事。巫女の方が抱き締めても収まりいいし、しっくりくる。」
「.....やっぱチュウする。」
額と額を合わせてくすくす笑った巫女都は自ら唇を重ねていった。
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