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冬の短い陽がすっかり落ちた頃、道場を後にした2人は無言で帰路を歩いていた。いつも繋がれていた手は離れ、生気が抜けたようにとぼとぼと正太郎の後ろを少し離れて歩く巫女都のその距離が、自分達の今の心の距離と比例しているように感じられ、正太郎は胸が抉られる様な気持ちでいる。
もう直家に着くという頃、正面から声を掛けられた。
「 お!お前らやっと帰って来たか。遅いから迎えに行こうかと思ってたんだよ。」
いつもと変わらない様子でそう声を掛けて来た龍二に巫女都はぴたりと足を止めた。
「........巫女、」
それに気がついた正太郎が呼び掛けるも、巫女都はそれに答えず、ツカツカと龍二の前まで行くと、パチンッとその頬を平手で打つ。
「許せ無いけど、龍ちゃんの事も大切だから、これで忘れてあげる!!もう、2度としないで!!」
悲壮感を漂わせながら憤怒して言い切る巫女都に、龍二は目を丸くしながら叩かれた頬を擦る。
「...痛ってぇ。あー、正太郎、巫女都に話したの?そんな怒んなよ巫女都、ノリでついだかよ...。」
龍二の言葉にわなわな震えだした巫女都を見て正太郎が口を開いた。
「 んな言い方すんなよ!!龍にぃ!!」
「 あー?だってよ、たかがオナニー勝負しただけだろ?...卒倒するかもとは思ったけど、まさか殴られるとは思わなかったよ...。もうしねぇから機嫌直せよ巫女都...。」
龍二の言葉に巫女都も正太郎も意味が分からず、は?って顔で動きを止める。
「.......俺ら、ヤったんじゃないの....?」
「...俺らって、お前と俺!?...ぶっ、あははははっ!!何だよそれっ、どっからその発想出んだよ〜おまえっ、」
盛大に笑う龍二に正太郎は昨日の事の真相を聞いた。酔いに酔った2人が筋肉自慢を始め、筋トレ勝負をし、暫く経つとそれが射精回数を競うものに変わったという何ともアホな話しに唖然とした。
「...けど、龍にぃケツが痛てぇとか下痢したとか...」
「 ケツ筋締めたり、スクワットしたりで筋肉痛だ。下痢は飲み過ぎた上、裸で寝たから腹冷えたんだろ。そういや、琥太郎が一部始終ハンディーで撮ってたから、そんな心配なら確認してみりゃいいじゃん。」
龍二に促され家に入ると、早々に2人はハンディーカムの映像を確認する。巫女都の名を呼びながら自慰に耽る映像の中の正太郎に巫女都は盛大に赤面し、それをとっとと消去した。
「 んーっ!!もうっ!!なんでちゃんと確認もしないで龍ちゃんとしたなんて言ったのっ!!僕、本当に凄っくショックだったんだからねっ!!」
「....面目次第も無い。けど、...凄っげぇホッとしたぁ~!!」
安堵から力が抜けた正太郎が床に大の字に転がると、巫女都は正太郎の手をキュッと握る。
「...正ちゃん、カッとなったからって約束破って1人で道場行っちゃってごめんね...」
「...んとだよ。あんなおっかねぇ巫女、初めて見たし。.......浮気してない事は確定した訳だし、次は俺の番だな?」
「 .........え? 」
にやりと笑いながら起き上がり、繋いだ手を強く握った正太郎に巫女都はキョトンとする。
「...約束破った罰。巫女のその身体でしっかり受けて貰おうか...」
「 えーっ!? だって正ちゃんが悪いんじゃん!?」
慌てて逃げを打つ巫女都を正太郎はガシッと抱え込む。
「るせぇっ!!俺は巫女の怒りをそれこそ全身で受け止めたっ!巫女も全身で受け止めろっ!!」
「 そんなぁ~っ!!」
ジタバタと暴れる巫女都を担いで部屋まで運ぶと、正太郎は紙に【説教中!入室禁止!!】とデカデカと書いてドアの外に張り付けた。
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