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「「 かわぁいい~っ!!」」
龍二が作った朝食は、オムレツに厚切りトースト、サラダとスープという、至ってシンプルなものだったが、要所要所にハートにくり抜いた人参や、ケチャップで書いたキャラクターなどがあしらわれていて彩り鮮やかなものだ。それを見た巫女都と芳美は目を輝かせて声を揃えた。
「 どうだビビっただろ?主夫なめんなよ?」
2人の反応に気を良くした龍二がそう言うと、巫女都は満面の笑みを浮かべる。
「 龍ちゃんほんと凄い!格好良くて料理も出来るなんて尊敬っ!!」
大絶賛の巫女都を見て正太郎はこの上無くいじけた。
「...どーせ俺は何にも出来ませんよぉ~。巫女に褒めてもらえる様な所一っつも無い出来損ないですよぉ~だ...」
「...そ、そんな事ないよっ!正ちゃんにも凄い所、いっぱいあるよ?」
「....例えば?」
「.....例えは...無いけど...」
「...................あっそ。」
例えがパッと浮かばず、巫女都が正直に言った結果、正太郎は更にいじけた。
「おら、何時までもいじけて無いで飯食えっ!お前は俺に性欲で勝ってるよ!!巫女都が可哀想なくらいだ。」
「 おっ!だよな!!龍にぃ年だしな!そこは負ける気しねぇわ!!」
龍二の言葉に浮上した正太郎とは打って変わって巫女都は赤面し俯いた。そんなの全然自慢になんないよと思うも口を噤む。言ったらまたいじけるから。
朝食を終えると巫女都は一旦家へ帰ると告げた。
神社では年末大祓の準備で、皆が忙しく動き回っているだろうと思い、2日間好きにさせて貰ったのだから少しでも手伝いをと思っての事だ。
「 じゃあ、俺も一緒に行くよ。」
「 え、いいよ。正ちゃんあんま寝てないし、疲れてるでしょ?」
「 俺は平気。...巫女のが疲れてるでしょ。」
にやにやしながら聞く正太郎に、巫女都はジト目を向けると、「行ってこい行ってこい」と追い立てる琥太郎に政虎が言う。
「 おめぇこそ行け!大祓が一番必要なのは寧ろおめぇだ!」
「 えー!...そりゃねぇよ。家中が盛ってる中、俺は清く正しく生きてますよ...。ここ2日...。」
琥太郎の言葉に巫女都は俯き正太郎、政虎、芳美の3人は顔を背けた。
「 ほれ見ろ。美桜、今顔背けた奴、全員穢れてるからな?悪い大人の見本だぞ?」
「琥太郎顔が気持ち悪い」
したり顔で美桜と肩を組んで言った琥太郎に、美桜は辛辣な言葉を浴びせる。
結局3人で神社に行って、琴子の指示を仰ぎ夜遅くまで働かされる事となったが、一々さぼる琥太郎は琴子の鉄槌を幾度と無く受けて、帰る頃には精神的にも肉体的にもボロボロになっていた。
...兄貴一緒だとおばちゃんの当たりが優しくて助かるぜ。
巫女都がオロオロと琥太郎を心配する中、正太郎はそんな風に思ってほくそ笑んでいた。
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