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昼休み、いつも通り3人で学食に行くと、周りからの好奇の目が突き刺さってきた。
「.....なんか皆見てね?」
智の問いに2人は周りを一瞥する。
「本当だ。...なんだろうね?」
「どーせ、隙を窺って巫女呼び出そうっつー輩だろ。」
小首を傾げて訝しげに言った巫女都に正太郎は然も興味無さそうに言った。
学食を出ても好奇の目は止む所か酷くなる一方で、流石の正太郎もイライラし始めていると、廊下の向こう側から真っ直ぐ亮輔が歩いてくる。
亮輔は巫女都をチラッと一瞥すると正太郎に言い放った。
「 お前は本当に最低だな!!桐谷がどんな気持ちで居るか考えた上での行動なのか!!」
谷本の言葉の意味が全く分からず、俺は巫女を見たが、巫女も小首を傾げた後、首をふるふる振って分からないと示唆してる。なんだ急に、意味分かんねぇ。
「....なんの事言ってんだかさっぱり分かんねぇんだけど」
「とぼけるなっ!!桐谷が居ながら身体だけの関係の奴がいると、学校中その話題で持ちきりだっ!!」
「 はあっ!? 」
「「 えっ!? 」」
先輩の言葉に凄い驚いて、僕は正ちゃんを凝視する。
「 居ねぇよっ!!んな奴!!」
「火の無い所に煙は立たないだろ!桐谷も嫌ならちゃんと嫌だと言え!!」
先輩の言葉に、僕は眉を下げてふるふる首を振る。なんか、事態が飲み込めないし、ショックなのか頭が働かない。
「....嫌もなにも、僕...今初めて知りました...。」
「...頻繁にしてると聞いたが、こんなに一緒に居るのに気が付かなかったのか...?」
その言葉に僕は更に悲痛な面持ちになった。
...頻繁にしてる?...嘘でしょ、
そんな巫女を見て俺は凄え慌てる。もう浮気疑惑掛けられるなんてごめんだ。
「 巫女、デマだっ!マジでんな奴居ねぇからっ!!」
「....正ちゃん、....本当に?」
「本当もなにもずっと一緒に居るだろうがよ!!」
正ちゃんの言葉に確かに僕も同感だ。登下校は素より、帰ってから寝るまでの間の殆んどを共に過ごして居るから、正ちゃんにはやっぱりそんな相手は居ないだろうと思う。
「...先輩、正ちゃんの言う通り、やっぱりでまかせだと思います。僕達四六時中一緒に居ますから。」
「...そうか。かなり噂になってるから、桐谷の事が気になったんだ...。余計な真似してすまなかった。けど、なにかあったら何時でも言ってこい?」
そう言って巫女都の頭を撫でると亮輔は正太郎にグッと強い視線を送り立ち去った。
「...心配してくれたんだね。谷本先輩って本当に好い人だよね。」
「...どこがだよ。下心丸出しじゃねぇか。」
不貞腐れる正ちゃんを尻目に、僕はいったい何なんだろうって考えて、独り言の様に呟く。
「...それにしても、なんでそんな噂立ってるんだろう。」
「......わかんね。」
俺がそれにそう答えると、智が笑いながら言った。
「 大方、巫女ちゃん狙いの奴が仲違いさせる為に流したんじゃねぇの?それか正太郎の性欲が異常だから立った噂かもなぁ~。」
カラカラ笑う智にジト目を向けていると、シンが来て、俺を見て凄え笑ってる。
「 よう!凄げぇ噂だな。巫女ちゃん、こんな浮気者捨てて俺んとこおいでよ。」
巫女の肩を抱き寄せて言うシンから俺はバッと巫女を引き離す。
「...誰が浮気者だ。ふざけんなよシン。」
「ウケるよなぁ~。選りによってお前らが出来てるなんてな?超ー面白くね?」
「「 はあっ!? 」」
シンの言葉に俺と智は声を揃えて驚く。なんつー噂なんだよって俺は智を上から下に見る。
「.....俺の相手っておめぇかよ。あり得ねぇ...。」
「...いやいや、こっちのセリフだから」
「...取り敢えず噂の出所突き止めてとっちめるしかねぇな。」
そう言った正ちゃんに智くんが同意して少し距離を置くなか、僕は正ちゃんの相手が智くんだと聞いて青ざめた。
...もしかして、朝聞かれたそういう関係って。
ふぇ~ん、どうしよぉ~、噂の出所、多分僕だぁ~。
蒼白になり慌て出した巫女を見て、俺はギョッとする。
「違う巫女っ!!智とは断じてそんな関係じゃねぇっ!!信じてくれっ!!」
「 ウ、ウン。ダイジョウブ........」
自分が噂の出所だと言い出すタイミングをはかりながら、歯切れの悪い返答を返す巫女都に正太郎は更に続けて弁明した。
「本当に違げぇからなっ!?あ!?インフル移ったのだって、キスしたとか、そんなんじゃ無くて、あのビンに入ってた俺の唾染み込ませた脱脂綿をこいつが馬鹿だから触っちまっただけで....あっ!?」
「 えっ!? あのビンそんな物入ってたのっ!?...じゃ、僕の所に来た人に智くんが配ってたのって.....。んーっ!! 正ちゃんっ!!」
思わぬ形であのビンの中身を知った巫女都は盛大に怒り、噂の出所が自分だとは結局言えず終いとなった。
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