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噂の出所が巫女都だという事は内密のまま、相変わらずべったりな巫女都と正太郎を見てか、噂はあっという間に沈静化した。
2月に入り巫女都と正太郎は今日から4泊5日で北海道に修学旅行に来ている。
「 うぅぅぅ~、寒いっ!!沖縄が良かったぁ~。」
空港を出て早々、巫女都は正太郎にしがみつきそうぼやく。
「....確かにこりゃ寒みぃな」
幸いにも天気は良く、太陽も顔を出してはいるが余りの寒さに2人は震えた。巫女都達が泊まるペンションは、廃校になった学校をペンションとして改築したもので、見た目は綺麗だが内装は学校を彷彿とさせるものだ。
「 狭っ!! ....脚伸ばして寝れねぇよ。」
割り振られた部屋の2段ベッドの狭さに正太郎は愕然とする。4人部屋に巫女都、正太郎、智に加え巫女都とも仲が良く尚且つ彼女持ちの大沢の4人が同室となり、左右の壁に寄せてある2段ベッドの右側を巫女都と正太郎は陣取った。
昼食を取り、今日明日はスキーをするという事で、着替えてバスでスキー場へ移動。
スキー場に着くと、班編成の為の技術テストが行われ、元々運動神経も良く、ウインタースポーツも得意とする正太郎はあっさり上級者クラスとなり、センスの欠片も無い巫女都はテストの時だけ奇跡的に上手く滑れてしまい、尚且つ経験が有るというのを考慮されてか中級者クラスに編成されたが、同じ班には慎一郎が居て、知らない人ばかりで無い事に巫女都はホッとしていた。
近場の斜面を自力で上がり、慣らしで滑っているとリフトで上がって行く正ちゃんを見つけて僕は大きく両手を振りながら叫んだ。
「正ちゃーんっ!!やっほーっ!! わっ!? 」
「 巫女ーっ!? 」
声を頼りにキョロキョロ探してる正ちゃんを見て僕は板を嵌めたままその場でピョンピョン跳ねてみたら盛大に滑って転んだ。
それを見た俺は驚いて叫んだが、座ったまま恥ずかしそうに笑って、また手を振る巫女を見て苦笑しながら手を振り返す。
慣らしが終わり、巫女都達もリフトに乗ってゲレンデの中腹まで上がる事になった。
2人乗りのリフトに柿崎くんと隣り合わせて乗ると、その見晴らしの良さに僕は眼を輝かせる。
「 わぁ~っ!凄っく綺麗~!結構登るね!」
「ああ。でも斜面の弛いコースみたいだから大丈夫だよ。」
リフトが到着する間際になると、先程のはしゃぎっぷりが嘘の様に巫女都は緊張した面持ちで先に降りて行く者達の手順を凝視している。
...これ、降りるの苦手なんだよなー。ちょっと高いよねぇ...。あの辺からピョンね、よしっ!
内心意気込んでいると、柿崎くんに「先に行く?」と聞かれて、お先にどうぞと答えた。
リフトが到着すると先に降りた柿崎くんに習い降り様とするも、一歩が踏み出せず、無情にもリフトは着た道を戻って行く。
「えっ!?巫女ちゃん!?」
「ふぇ~ん、やっぱり降りられなかったぁ~!柿崎くん、ちょっとそこで待っててぇ~」
Uターンして行く僕を慌てた後、呆然と見つめてる柿崎くんにそう言い残すと、成す術無く僕はリフトに従って1人降下していく。
すれ違う人達に驚かれたり、笑われたりと、声を掛けられる度、巫女都は赤面しどんどん俯いていった。
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