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ぐるっと回って戻って来ると、リフトの到着時に柿崎くんが腕を伸ばして引っ張り降ろしてくれた。
「 ありがと!お待たせしましたっ。」
はにかみながら言う巫女都に慎一郎はドキッとした。同じ班の者達は既に降り始めていて、巫女都は慎一郎と共に斜面をゆっくりと滑って行く。
時々転ぶ巫女都に合わせ、慎一郎もその都度止まって戻り、手を引っ張って起こしてくれていた。
「....柿崎くん、ここは絶対無理かも。」
中級コースのわりに急な斜面が登場し、スキーで滑って降りれる気が全くしなかった僕は正直にそう柿崎くんに言う。
「 じゃ、歩いて降りよう」
そう言ってくれた柿崎くんにありがとうってお礼を言って、板を外して2人で歩いていたら、後ろから滑り降りて来た人が少し先でズザッと止まった。
「 やっと見つけたっ!」
ゴーグルを上げにっと笑ってそう言った正ちゃんを見て、僕は嬉しさのあまり駆け出す。
「 正ちゃんっ! わっ!? わぁ~っ!!!!」
「「..............あ、」」
転んだ拍子に手から離れちゃったスキー板が、勢い良く勝手に滑って行っちゃって、僕は慌てて追ったけど無理そうで、振り向いたらそんな僕を正ちゃんと柿崎くんは唖然と見てた。
「 全っ然追い付けない~!! ふぇ~ん、正ちゃーんっ!!」
「...だろうね。...しゃあない、取ってくっからシンと歩って来いよ?シン、悪りぃけど巫女頼むわ。」
そう言い残すとゴーグルをして、正ちゃんは猛スピードでゲレンデを滑り降りて行く。
正ちゃん格好いいっ!!
あっという間に小さくなっていった正ちゃんの後ろ姿に見惚れていると、柿崎くんにポンッと肩を叩かれ僕はハッとした。
「 そんな熱視線送ってるとゲレンデ溶けちゃうよ?...惚れ直しちゃってるとこ悪いけど、歩かないと日暮れちゃうからね、巫女ちゃん。」
「................はい。」
図星を差された僕は赤面し、新雪に脚を取られて苦戦しながらもゲレンデを下ってく。
「 おっ、やっと来たか。ほら、嵌めてやるから脚出せ。」
「 だめぇ...、ちょっと休ませて...。疲れたぁ~。...ごめんね、柿崎くん。」
正ちゃんの居る所まで着くと、雪の上にドサッと横になった僕を見て正ちゃんも柿崎くんも笑ってるけど、もう疲れちゃった。雪の上は凄く歩き難い。
転がったままの巫女の脚を片足ずつ拾い上げて、俺は笑いながらスキー板を嵌めてやる。
「 たく、本人置き去りで板だけにスキーさせてお前は何しにきたんだよ。登山か?」
「 ん~っ! えいっ!!」
「 ぶっ!? 冷てっ!しかも微妙に痛ぇよっ、固めるなっ!!...チッ、こうしてやるっ!!」
雪玉を顔面に当てられた正太郎は、巫女都の両脚をスキー板を立てる形でザクッと地面に突き刺した。
「 ん~っ!! 抜けないっ!!ちょっと正ちゃん、これ抜いてよぉ~!!」
「嫌なこったっ!脚おっぴろげていい眺めっ!堪りませんなぁ~。」
「 ちょっ!? えっち!!変態っ!!本当にこれ抜いてよぉ~っ!!」
ストックの先で臀部を突ついたり撫でたりする正太郎に巫女都は慌てる。
ギャアギャア言い合う2人を見ていて、慎一郎は自分の巫女都への秘めたる恋心は永遠に成就する事は無いなと改めて覚り、苦笑した。
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