アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
192
-
ペンションで夕食を取っている時、正太郎はずっと疑問だった事を口にした。
「...なぁ、ここ夕張なのに1回もメロンでねぇな。メロンの加工品ばっか...」
「時期じゃないしな。まぁ場所が夕張だからって、修学旅行で生徒に夕張メロン出す程リッチな学校じゃねぇよ...。」
智の言葉に俺は納得して、それもそうかと頷いた。
夕食後、最終日の明日は自由行動となっており、4人で何処に行くかを話している。
「...寒みぃしな。ラーメン共和国でラーメン喰って室内適当にブラブラしようぜ。」
「 あ、正ちゃん。ママと、よっちゃんが六花亭のバターサンド買って来てって言ってたから見てかないと!」
わいわい話し合っていると、あっという間に夜は更けていった。
向かいのベッドから聞こえる寝息を合図に、僕は下のベッドに潜り込み、昨晩と同じ体勢を取ったら急に引き上げられて盛大に驚く。
「 わっ!?」
「しーっ!...つか毎晩入って来んなら初めっからここで寝りゃいいじゃねぇかよ。」
「...だって、智くんと大沢くんに1人で寝れないのかと思われたら恥ずかしいでしょ?」
「なんだそりゃ。...身体冷えてんな。」
俺が巫女の上に布団を掛け直して一層抱き込む様に抱えると、巫女は嬉しそうに笑って胸に顔を擦り寄せてる。
「...もう直ぐ終わっちゃうね修学旅行。なんかあっという間。」
「だな。...まあ、大浴場しかないっつーのが難点だけど。結構、いい感じに楽しめたなっ!」
「 ふふ、まだお風呂の事言ってる。また僕達のアルバムのページが増えるね...うれ...し......」
「.........巫女?」
話している途中で眠りに落ちた巫女に俺は苦笑した。
...相変わらずのび太だな。小太郎なんとかして貰おうと思って待ってたんだけどなぁ...。しゃーない。
余りにも気持ち良さそうに眠る巫女を起こすのは忍びないと、俺は溢れんばかりの情欲を必至で抑えた。
夜が明け、自由行動になると4人は観光を始め、手を繋いで歩く巫女都と正太郎を見て智は言う。
「...見慣れた光景だけど、街中でも堂々としたもんだな」
「...ああ? 巫女連れて歩ってて、一発で男だって分かる奴は居ねぇよ。それに例え分かった所で、んな所の奴は2度と会わねぇだろうし、誰に何と思われても別に気にしねぇ。」
正太郎の返答に智も大沢も確かにと頷く。
「容姿云々よりナヨナヨしてる訳でもないのに女っぽく見えるのは何でだろうな?俺の彼女も文化祭で桐谷見たとき凄げぇ、びびってた。」
「...なんか褒められてるのか貶されてるのか分かんないんだけど...」
大沢くんの言葉に僕が複雑な気持ちになると、正ちゃんが答えた。
「そういう風に育てられたからだろ。おばちゃんが巫女さんにする為に所作だぁ、仕草だぁってガキの頃から口煩く言ってたからな...。その反動かなんだか知んねぇけど、道場じゃおっかねぇ程男だ...。」
クリスマスの日の巫女を思い出した俺は思わず身震いする。ありゃマジでヤバかった。あの巫女には二度と会いたくねぇ。
「...しっかし、観光っつっても意外と何もねぇーな。...そもそも場所が分かんねぇし。」
「だな。早めに飯喰って、午後は土産散策に切り替えますか。」
俺のぼやきに智が提案し、巫女も大沢も賛成した。札幌のラーメン共和国で白樺山荘の味噌ラーメンを堪能すると、予定通り土産散策を始めた。
注文通り六花亭のマルセイバターサンドを始め、THE北海道土産というものを確保していくと正太郎が白い恋人を手に取り巫女都を見て、まさに白い恋人だな。と下らない事を言う。
正太郎の言葉に巫女都はくすくす笑っていたが、智と大沢は外気が一層冷える様な寒い事を言うなと冷やかだ。
...買ってこうかな。
巫女都は少し考えた結果、待っててと伝え一人で別の店に入ると、目当ての物を購入した。
集合場所の時計塔に早めに着いて暇を持て余しながら待ち、漸くバスでペンションに帰り着くと巫女都は帰り支度を始めたが、手荷物の多さに帰宅時大変だなと考え苦笑した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
192 / 217