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「契約」
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──ここはどこだろう。
そう思った奏はゆっくり目蓋を開けた。
そこには真っ暗な空間が広がり、微かに動いた何かに目を凝らす。
するとオレンジ色の小さな粒が微かに揺らめいた。
「ロウ…ソク…?」
咄嗟に浮かんだ言葉を奏が口にすると、それまで寝静まり沈着した空気が目覚めたようにざわめき出しす。
──何か、いる。
「お前が目を覚ますまでに月が2回も空に昇ったよ」
その声は涼やかだが楽しそうに弾んでいた。
しかしそれは奏にとって身の毛もよだつ悪夢の始まりを意味し、終わり無き苦痛を意味する。
「や……、もう…ヤメ……っ」
「契約したのはお前自身だ」
そう。契約したのは彼自身。そしてその代償として差し出したのも"彼自身"だ。
「う…、ぁああああッ!!」
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