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「あッ……」
廃屋とは釣り合わない淫らな声が漏れる。
しかし聴いている者は誰もいない。
ここは地獄の中でも特に荒れ果てた土地だ。
草木は枯れ、土は赤茶け所々ひび割れている。
ネビロスに案内された部屋で自分の欲を垣間見た奏はその後、見ず知らずの相手を見つけては行為を繰り返した。
だが彼が満足することはなかった。
快楽に達した瞬間は満たされた気でいるが、数分もしない内にまた体の芯が疼いてきてしまう。
そして等々、そんな奏がたどり着いたのはオーク達が主に生息するこの場所だった。
知力こそ低いが屈強な肉体に有り余る体力を持ち合わせている彼らは奏にとって絶好の遊び相手だ。
刃を通さない肌は青くごつごつと硬く、密着する毎に奏の柔肌に傷みを作る。
しかしそれで良かった。
今の奏にはもう、優しいだけの快楽は達する要因として物足りなくなっている。
「あっ…うぅ…ッ。もっと……、もっと抉ってよ…。腹の中突き破るくらい…!」
「ヴゥゥゥ…」
「っ、そう…!それで、いい…!あぁっ、ああぁ…ッ!」
高まる愉悦に溺れそうになると決まって心の中に違和感が生まれ、結局煮えきらないまま彼は吐精してしまう。
今回もやはりそのパターンだった。
「はぁッ…、はぁ…っ。なんだ、もう終わり?」
ドクドクと腹の中に流し込まれる感覚が止むと、オークの太く歪なモノが彼の中からズルリと抜け、頑丈な肉体が力なく地に崩れ落ちた。
一度に精を出しすぎたせいだ。
(こんなにシてるのに……なんでまだ足りないんだろ…)
意識を失ったオークを見つめ、足りないものを探る。
しかし奏には見当もつかない。
有り余る精力。屈強な肉体。制圧する荒々しさに嫌悪感を抱く容姿。
思い付くものは全て兼ね備えているオーク以外に自分の欲求を満たす者がいるだろうか?
そんな自問自答にふと見えかけた答えを頭から追い出し、奏は淡々と身なりを整えた。
次の獲物を探す為だ。
しかし、背後に感じた僅かな気配がそんな彼を阻止する。
「っ!…どうしてここに?」
「なぜだと思う?」
振り返った奏は心底驚愕し、男に訊ねた。
だが、返ってきたのは答えではなく質問。
そして何より厄介なのは、何に対しての質問なのか分からない自分がいる。
"なぜこんな事になったのか"
その答えを知る者はただ一人。
自分に残る淫らな行為の痕を布で覆う彼をなに食わぬ顔でじっと見つめるアスタロトだけだ。
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