アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
変装し忘れ事件。
-
時間は3時。
休みの日だからか、廊下に人ひとりいない。
エレベーターもすぐに来た。
何を買おうか考えていた悠は、忘れ物をしたことに気づかなかった。
そして、このまま普通にお菓子を買って部屋に戻れると思っていた。
…………そう。変装し忘れたことに気付くまでは…………。
---------------------------------------------------
……何買おうかな〜!クッキーもいいけどなぁ、ゼリーとかも食べたい。チョコレートもほしい!
でも、翼が 甘すぎないもの って言ってたからな…。
うーん……悩む……。
悠はコンビニの中をウロウロしていた。
お客さんは十数人しかいないため、しーんとしている。
コンビニというと、最寄りのコンビニを思い浮かべるかもしれないが、ここはお金持ちが集まる学校。
もはや、大型スーパーといってもいいレベルである。
うーん……俺の勘違いかもしれないけど……何だか見られてる……??
悠は、さっきから視線を感じていた。というか、後ろをついてくる人がいるのだ。しかも、だんだんと人数が増えている気がする。
(ボソボソ…)
「あの子、超かわいいんだけど///」
「何年生かな??」
「あんな美少年、いたら絶対気付くよねー。」
「俺、あいつ抱きたい。」
「いや、俺が先だから。」
(ボソボソ…)
……うーん……、俺、どっかおかしい所でもあるのかなぁ…?
いたって普通の服だけど。センスもそこまで悪くないと思うし…。
髪の毛も目も黒………………………じゃないっ!?!?
え!?なんでだ!?!?
近くに掛けてある鏡に映っていたのは、綺麗な茶髪に翡翠色の目をした男の子だった。
やばっ!!変装し忘れてる!!
お菓子のことで頭がいっぱいで、気づかなかったんだ!!
あぁ、どうしよぉぉっっ!後ろにいる人たち、だんだん近づいてくるし…!めっちゃ怖いぃぃぃっっっ!
翼に今から連絡してもここまで来るのに時間かかるし、かといって逃げ場はないし…。
誰か助けてくださいぃっっ!!!
?「行くよ。」
「…え?」
急に腕を引っ張られた。そして走った。
「ハァッ…!…ちょっとっ…待ってくださいっ…!」
持久力があるわけではないから、余計苦しい。
後ろから何人か追いかけてくる。
お願いだから帰ってくださいぃっっ!
しばらく走ると、追いかけてきた人たちはいなくなっていた。
「ゲホッ……ハァ…ハァ……。あのっ…ありがとうございました!ほんとにっ…助かりました……。」
「どういたしまして〜。」
あれ…?この声って…
「しぐれ…先輩…?」
「ピンポーン!♫ 時雨で〜す!」
助けてくれたのは、いつぞやにオムライスをくれた救世主、時雨先輩だった。
「てか、変装忘れちゃダメでしょ〜?」
首を傾げながら、時雨は言った。
「え? なんで、変装してるって知ってるんですか…?」
「だって、そういう職業だからね〜笑」
……???
「まぁ、今は部屋に帰れないだろうし、理事長のとこにでも行こうよ。」
帰れない??
「なんで帰れないんですか…?」
「だって…さっきいた人たち、絶対悠のこと探してエレベーターで待ち伏せしてるだろうから。」
マジか……。
変装してないだけで、あんなに変わるのか…。
「じゃぁ、理事長室に行きますか…。」
そして、俺らは別のエレベーターに乗って 理事長室に向かった。
……ごめん、翼。お菓子買えなかった…。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
34 / 46