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しぐれ先輩の秘密
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コンコンッ。
「理事長、時雨です。入りますね。」
しぐれ先輩は、そう言うと慣れたように部屋に入った。
…相変わらずここが一番豪華だな…。
「おぉ、時雨くんか。久しぶりだね。」
「はい。最近は仕事がありませんでしたから。」
……仕事??
「ところで、どうして悠と一緒なの??」
ナツさんが不思議そうに聞く。
「それはですね……」
しぐれ先輩はさっきあったことを事細かくナツさんに説明した。
あの短時間でよくそこまで考察したな…笑
「……というわけです。」
「そっか〜。変装バレちゃったんだ。」
「はい。でも個人は特定されていないので、しばらくは大丈夫かと。」
「うーん……でも、ここの生徒はあなどれないからね…。時間の問題かなー………。」
俺、まともに生活できなくなるのかな??
どっ、どうしよう!!
「それでは、俺が手回ししておくので理事長は対策をお願いします。」
「ん、了解でーす。」
「しっ、しぐれ先輩は、何か仕事してるんですかっ?」
「あれ、時雨くん話してなかったんだ。」
「はい。でも、そろそろかなと思ってました。」
…そろそろ??
「じゃぁ、教えるね。」
「??」
秘密の話??
なんだろう??
「時雨くんはね、俺の専属の情報屋なんだー。」
……!?!?
専属!?
えっ……、しぐれ先輩がナツさんの!?
「専属は大げさですよ。」
「いやいや〜。時雨くんいないと、やってけないし〜。いつも助かってるよ♬」
「ありがとうございます。」
……てか……、
「情報屋!?」
「そう。情報屋。だからね、悠くんのことは会う前からなんでも知ってるんだ。」
「そ、そうだったんですか…。」
不思議なひとだとは思ったけど、情報屋って…。
というか、情報屋を雇うナツさんって…。
「改めてナツさんの凄さが分かった気がする…。」
「あれ?呼び捨てじゃなかったのー??」
「えっと……その…慣れなくて…。」
「そっかー。さみしいなぁー…。まぁ、ナツさんでも呼んでくれることに変わりはないからいいんだけどさー……。」
ナツさん、めっちゃすねてる。
そんなに呼び捨てがよかったのかな?
「理事長。」
「なに?」
相変わらず、ナツさんはすねている。
「この後の対処はどうしますか?」
「うーん…まぁ、もう一回変装させれば大丈夫だと思うよ〜。」
ナツさんはごそごそと変装セットを出してきた。
…なんで持ってるんだろう。
「よし、これでオッケー!」
「おぉ!元に戻った! ナツさんありがとう!」
「どういたしまして〜。」
よかった〜。これで部屋に帰れる!
「では行きますね。」
「うん。あ、時雨くんさ、今日の放課後来てくれる?」
「分かりました。うかがいます。」
しぐれ先輩も不思議なところいっぱいあるなぁー……。
「しぐれ先輩、今日はありがとうございました!」
「ううん、こちらこそ。俺も楽しかったし。」
楽しかったんだ…笑
でも、楽しいところなんてあったっけ…?
「じゃぁ、俺行きますね!」
「あ、ちょっと待って。」
行こうとしたら、しぐれ先輩にひきとめられた。
???
「なんですか?」
「俺の名前は輝夜(かぐや)。輝夜 時雨。」
「え?」
「んじゃ、また会おーね!」
そう言って、しぐれ先輩はいなくなった。
急に言われて、ちょっとびっくりしたな……。
「かぐや…しぐれ……。」
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