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金の稼ぎかた 2
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「ちょ…おい!何のつもりだ」
俺の声に歩みを止め、振り返る男を睨みあげる。
「何って…ホテルで、がルールなんだろ?」
確かにそうだ。そうだ、けど…!
「だからって何でこんなホテルなんだよ!」
どんな世間知らずだって、一度は耳にしたことのある、高級リゾートホテル。
俺にとって、一生足を踏み入れることなんてない場所。
1泊何万するか──確実に俺が一晩で稼ぐ金額を超えているはずだ。
「金はお前持ちだって分かってんのか!?」
張り上げた俺の声が、薄暗い駐車場に響く。
すると、目の前の男はクッと口の端を上げて笑った。
そんな余裕のある顔に、少し苛立ちを覚える。
「なにが可笑しいんだよ」
「いや、そんな商売をしてるんだ、もっとしたたかな奴かと思えば…代金の心配なんて、案外優しいんだなと思って」
「はぁっ!?違ぇよ!」
確かに少しぐらいは、払えんのかよ、という気持ちもある。
だが、俺が考えてるのは、¨本気で払う気¨な場合だ。
金を払い男を買うのに、さらにバカ高いホテルに連れ込む。
俺はこれだけしてやったんだ、俺のものになれ、と押し付けがましく迫ってくる奴もいる。
何回かそんなことがあり、安いラブホテルなんかじゃなく、わざわざこんなホテルへと連れ込もうとする奴に、警戒心を抱かないはずがない。
そう告げると、男は再び口の端を上げて笑い、俺の腕をグイッとひっぱり歩き出した。
「ちょっ…おい!」
「安心しろ、そんな押し付けがましく迫ったりしねぇ」
スタスタと歩く男に引っ張られている俺。
綺麗に磨かれたガラスの自動ドアを抜け、フロントに寄るのかと思いきや男は重厚な造りのエレベーターに向かう。
上に行く矢印のボタンを押し、俺を見た。
「チェックインは済ませてある」
疑問が顔に出ていたんだろうか、男がそう言うと、エレベーターのドアが開いた。
ロビーと同様のふかふかの絨毯がエレベーター内も、廊下にも広がっている。
これまた重厚な造りのドアを開け、中に入らされた俺は、またもや唖然とする。
何畳あるかもわからない、広い部屋。
高級そうな家具が並び、バカでかいテレビが壁にかかっている。
「シャワー浴びるか?」
部屋の中で立ち尽くしている俺とは違い、ソファにドサっと腰を下ろし足を組む男。
「いや…いい…」
まだこの場所に、雰囲気に戸惑っている俺は、視線をさ迷わせながら答えるのが精一杯だ。
「なら…さっそく味見するか」
ソファから立ち上がり俺に寄ってくると、指先で俺の顎をクイっと上げた。
こうやって並ぶと、やはり背が高い。
「来い」
腕をつかまれ、引っ張られるまま着いていく。男が扉を開けた向こうは、寝室だった。
男は部屋の明かりをほのかに明るいオレンジのライトに切り替え、俺を引っ張っていく。
人が3人も4人も寝れそうなこれまたバカでかいベッドに座らされた。
「1個一万だったか?」
前に立ったままの男はジャケットを脱ぎ、そばにある椅子に投げた。
「…あぁ。何個いんの?」
ルール4。
俺からコンドームを1個一万で買うこと。
絶対生ではさせない。
ゴム1個につき一万円。
つまり、回数を重ねるごとに、値段が増える、というわけだ。回数によって俺の値段は変わる。
「何個持ってんだ?」
「…10個だけど」
だいたい毎日、10個持ち歩く。
と言っても、せいぜい3、4個買うやつが大半だ。
たまに調子に乗って全部くれ、という奴がいるが全部使いきった奴はいない。
コイツもそれぐらいの個数を答えるだろう、と思いきや──。
「なら全部買う」
「は?」
コイツ、馬鹿か?と思いながら、じっと男を見た。
「金は前払い、返金は不可、なんだろ?
ほら、10個」
そう。金はゴムと交換で、前払い。
たとえ使いきれなかったとしても、返金は不可、だ。
財布から一万円札を十枚取り出し、目の前につきつけてきた。
よっぽど自信があるのか、ただの馬鹿なのか…まぁどちらにしろ、10万稼げるのだから関係ない。
どうせコイツも後者だろう…と、パーカーのポケットから連なったゴムを出し、渡す。
変わりに受け取った金をポケットに捩込み、パーカーを脱ぎベッドの下に投げた。
「名前は?」
いつものように、顔に笑みを貼り付けながら、男を見上げる。
「隆盛リュウセイ、だ」
本名か、偽名か──そんなのはどうでもいい。
「んじゃ、リュウ、な」
男──リュウの右手を左手で掴み、手の甲にキスを落とす。
ただ俺は、客に買われるだけだ。
「Contract establishment.」
─契約成立、だ─
今から俺は客─リュウのものになる。
リュウは俺を押し倒し、上に乗っかってきた。足を割り、間に割り込んでくる。
間近にせまった顔を見つめる。
案外睫毛が長いんだな…と考えていたら、唇に軽くキスを落とされる。
ちゅっ…ちゅっ…と何度もついばみながら、右手で髪をすくリュウ。
目を閉じれば、キスが深くなった。唇を舌がこじあけ、中に入ってくる。
俺の舌を探すように、ゆっくりと蹂躙するように口の中を這う舌。
「…んっ…」
歯列をなぞり、ようやく舌を見つけたといわんばかりに、激しく絡めてくる。
「んっ…あ…」
コイツ…上手い。
息苦しいほどの激しいキス。鼻では呼吸がおいつかない。
すると、絶妙なタイミングで隙間を作り、俺に空気を吸わせる。
──溺れる。
キスぐらいでそう思ったのは初めてだ。
執拗に舌をからめられ、軽く吸われ、息継ぎをし、きつく吸われ、深く重なる。
ぴちゃ、ぴちゃ、と濡れた音を響かせながら、終わりの見えないキスは続く。
それから何分経ったのか、ようやく唇が離され、時間の感覚が狂うほどのキスに俺は肩で息を吸い、目を開ける。
からかうように笑うリュウ。
ペロッと唇を舐めると、そのまま唇が顔中にキスの雨を降らせる。
右耳にたどりつき、耳たぶを甘噛みし、ふっと息を吹き掛けてきた。
ピクン─と反応した体。
「キスだけでそんな状態で…最後まで持つのか?」
甘いテノールボイスが、耳元で響く。
「うる…せ…っ」
舌で耳を蹂躙され、じゅくじゅく…という水音が直接頭に響いてくるみたいだ。
舌先でツツツ…と首筋をたどり、甘噛みしながら、手を服の下にしのばせてきた。
じっくり堪能するように、肌を撫でる手。
徐々に上がってきた手は、右の突起を見つけ、軽く爪を食い込ませる。
「んあっ…」
ふっと笑い声が聞こえたと思ったら、きゅきゅっと指でつままれ、ぐりぐりとこね回してくる。
「あぅっ…んっ…」
「なかなか敏感な体だな」
左の耳を犯している最中だった唇が、くっと楽しそうに笑った。
スッとリュウの体が離れた─かと思うと、シャツを一気に上まで上げられ、脱がされる。
ポイッとベッドの下に投げ、再び覆いかぶさってくる。
舌が鎖骨を滑り、顔が下に下がっていく。
すでに立ち上がった乳首に、ねっとりとした舌が絡みついた。
「あぁっ…!」
たっぷりと唾液を落とし、ちゅくちゅくと吸い、舌先で押し潰し、甘噛みされる。
「左が可哀相だな」
右ばかり攻められ、放置されていた左の乳首も、同様に愛撫される。
「んぁっ…あぁっ!」
空いた右の乳首は指でコリコリとつままれる。
長い間乳首を愛撫され、それだけで自分のモノが痛いくらいに勃ち上がっているのが、分かる。
腹の中心をスーッと舌がたどい、離れたかと思うと、指先がツツ…と俺のモノを撫でた。
ピクピクと体が反応する。
「服の上からでも分かるぐらいに勃ってるぞ?」
「…っ…」
カチャ…とベルトをはずす音がして、ジーっとジッパーを下げられる。
腰を浮かせると、クスっと笑い声がし、スルっとズボンを下げられ、足から抜かれた。
バサっとズボンが投げられる音を耳に拾いながら、俺は次の刺激が待ち遠しく、男を見つめていた。
下着の上からだと、俺のものがくっきりと浮かび上がっているのがわかり、リュウの指が這い回る。
「…っ…あっ…」
もどかしい刺激に、ピクピクと体が揺れる。
下着のゴム部分にクイっと指がかけられると、下にグっと引っ張られる。
勢いよく飛び出した俺のモノは、先から液をにじませ、ピクン、ピクンと揺れていた。
下着を取り払われ、モノの頭を指先の腹でグリグリと刺激される。
「うぁっ…んん…っ」
手の平で包み込み、緩やかにしごき始めた。
また覆いかぶさってきたかと思うと、再び乳首を舌が刺激する。
「んっ…あっ、やぁっ…」
しごき方が、ただ上下に動かすだけじゃなく、キュッと力を入れたり、指先でグリグリと先端を押したり、ツツツと裏筋をたどったりなど、様々な刺激を与えてくる。
体中を這い回る舌が顔にやってきたかと思うと、リュウの唇が俺の唇を捕らえ、蹂躙される。
俺のなかを、駆け上がってくる、感覚。
イく。
イく。
「ふっ…んんっ!ふぁっ…!」
「名前呼びながら、イけ」
耳元で響く、甘い声。
「あっ!…あぁっ…
リュウっ…んっ…リュ…ウっ!
…っっ…あぁぁっ…!!」
ぴゅっぴゅっと何度かにわかれて、先端から白濁の液体が飛び出した。
俺の腹に、そしてリュウの手にかかった精液。
俺のモノから手を離し指についた精液を見ると、ペロッと舐めたリュウ。
その舌が、異様に妖しく見えた。
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