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影 1
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母さんの供養も済ませ、俺は寮へと帰ってきた。
あのアパートは契約を解除することに決めた。
リュウが心配そうにしていたが、俺はリュウに言ったんだ。
「母さんは、俺の中にいるから」
その言葉を聞いたリュウは優しい顔で笑ってくれた。
必要なものは全て寮にあるため、あのアパートに残るものは全てリサイクルへと回すことにした。
杉崎さんがついでにアパート解約等の手続きも請け負おいますよと言ってくれたので、中にあるものは処分してくださいと言ったところ、リサイクルに回しましょうと言ったのだ。
誰かに使っていただいた方が、喜ばれますよ、と。
寮に帰ってきて真っ先に向かったのは、亮平の部屋。
予想通りに純が出てきて、俺を目にした純は飛びついてきてぎゅうっとしがみついてきた。すると亮平出てきて、しがみつく純に苦笑いを浮かべながら上がれよと言ってくる。
奏も肇も葵も来て、みんな笑顔で、おかえり、と言ってくれた。
「お花、ありがとう。すげー綺麗だった」
届いたのは、真っ白い花ばかり集めた花束。
「お寺にお願いして、お寺に飾ってもらった。母さん、きっと喜んでる」
俺の言葉に純と奏は涙ぐみ、他の三人は微笑んだ。
もうすぐ夏休み。
何をしよう、どこへ行こうなどと話しながら、夜がふけていった。
自分の部屋に戻り、ベッドに寝転がり天井を見つめる。
そして、改めて考えるのは、リュウのこと。
リュウは、俺を好きだと言ってくれた。
俺は、リュウを──。
認めたくない。認められない。
人を想うなんて。そんな資格、俺にはない。自分自身が、一番良く分かっている。
唇をキュッと噛み締め、目を閉じる。
浮かぶ、顔。求める、もの。
起き上がり、頭を振る。
ため息をひとつつき、まだ変装もしたままだし気分転換でもしよう、と俺は部屋を出てロビーへと向かう。
深夜一時。
生徒の姿はなく、自販機でカフェオレを買ったあとソファに座った。
しばらくそこでぼーっとしていると、カツン、カツンと足音が聞こえた。
音のする方に目をやると、そこに居たのは。
「やぁ、白川くん」
「……鷺ノ宮先輩」
いつものようにうっすらと笑みを浮かべている。
「探したよ」
「え?」
探した……?あれから特に関わりもなかったのに、突然何なんだろうか。
「何か、用事ですか……?」
「んー、まぁ…俺じゃないけど」
ニコリと笑い、俺の隣に座った先輩。
何だろう、何か胸騒ぎがする──。
「大丈夫?」
唐突にそう言われ、何に対して問われているのか理解できず、俺はただ先輩を見つめた。
「お母さんが、亡くなったんだろう?」
大丈夫、その意味を理解し、そしてすぐにまた疑問が生まれる。
──なんで、鷺ノ宮先輩が、知っている……?
亮平たちが言うとは思えない。俺は警戒心をあらわにして、先輩を見た。
「あらら、警戒されちゃった」
楽しそうに笑い、おもむろにポケットから携帯を取り出した。
「ねぇ、白川くん。君はもう忘れた?この人を」
そう言って、携帯を操作し耳にあてる鷺ノ宮先輩。
「あ、変わりますねー」
ニコリと笑った先輩は俺の耳に携帯をあてた。そして、スピーカー越しに耳に届いた声に……俺は呼吸を忘れる。
『久しぶりだね?聖夜』
「──っ、」
背筋が凍り、心臓が嫌な痛みを訴え始める。
『ねぇ、聖夜。僕は君を忘れていないよ』
呼吸が、荒くなる。
『なのに、君は……僕を忘れたのかな?』
体が、震える。
『ね、聖夜。許さないよ?君が、誰かに奪われるなんて。そんことになったら、 嫉妬で何をしてしまうか、分からない』
体が、強張る。
『君は、僕のものだ。分かっているよね?ふふっ』
影が、差す。
耳にこびりつくような笑い声を残して、スピーカーから通話が切れた電子音が響いた。
「明日帰ってこられるよ」
鷺ノ宮先輩の声に、俺は顔を上げた。
「怒ってたよ?ちゃんと入学祝いあげたのに、って」
頭に浮かぶ、奥に隠したあの包み。
「ちゃんと開けて中身を見て、それから明日来るようにだって。明日の朝、5時に迎えに行くからね?」
鷺ノ宮先輩はそう言うと、この場から立ち去っていった。
意識が飛びそうになるのを、なんとか堪える。
額から、汗が滴り落ちた。
耳に残る、あいつの言葉。
あいつが帰ってくる。ーーーー離れなきゃ、また…。
震える手で携帯を取り出し、電話をかけた。
『どうした?白川』
耳に届く、低い声。聞くと安心する、リュウの声。
「……今、部屋…?」
『あぁ』
「──行っても、いいか……?」
『構わないが……』
「……じゃあ、行く」
電話を切り、俺は一度部屋に戻る。
寝室に置いてある、今は使わなくなったものをポケットに入れ、部屋を後にした。
エレベーターに乗り、8階のボタンを押す。
──離れる前に、せめて──……。
エレベーターから降りた俺はリュウの部屋に向かい、そしてインターホンを押した。
「どうしたんだ?こんな夜中に」
部屋に入りソファへと促され座ると、リュウも横に座った。
「……あ、ごめ……」
そうだよな、こんな夜遅くに迷惑だったよな……。
リュウは俯く俺の頭をくしゃりと撫でる。
「いや、かまわないが。何かあったか?顔色が悪い」
──どうして、リュウはいつも俺に何かあればすぐに気づくんだろう。
「……ちょっと、ヤな夢見て……」
本当に夢なら良かったのに。
「そうか。ひとりが嫌なら、ここで寝るか?」
その言葉に、俺はリュウを見る。
ごめん、リュウ。甘えて、ごめん。
「なぁ……後二個、残ってるだろ?」
「ん?」
「……ゴム。」
「……そうだが……どうした?」
リュウが訝しげに俺を見てくる。
「今すぐ、使って欲しいんだけど」
「……急にどうした」
「あんたとさ、ビジネスの関係を終わらせたいんだ」
リュウの表情に驚きが加わり、探るようにじっと俺を見つめてくる。
「それは、どんな意味で言ってる?」
「…終わった後に言うよ」
リュウはしばらく俺を見つめた後、俺の手を引っ張り、立たせた。
手を引かれ寝室に来ると、俺は自分からベッドの上へとあがった。
「あ、髪黒いままだけど……落としてこようか?」
するとリュウは首を横に振り、いい、と答えた。
「あ、意識無くすまではすんなよ?」
「……わかった」
リュウもベッドに上がり向かいに胡座をかいて座ると、リュウの右手がそっと頬を撫でる。
俺はそのぬくもりに、にすり寄った。
顎を持ち上げられ、上を向かされる。
薄明かりの中、リュウの瞳がくっきりと見える。
──あぁ、俺は、初めて会ったときから、この瞳に──。
俺の思考は、リュウの甘い口づけによって遮られる。
優しく、啄むように触れる唇。唇をリュウの舌がペロリと舐めた。
次は息をつく暇もないほどの、情熱的なキスが襲いかかる。
頭の後ろに回る手が、強く頭を押さえる。
その手に、安心感を覚える。
「──ん、ふ…ぁ、」
ゆっくりと後ろに倒され、俺に覆い被さるリュウ。
リュウの舌に、口内を犯される。時には優しく丁寧に、そして時には激しく乱雑に。
いつしか俺もリュウの舌に自分のそれを絡め、味わっていた。
「……ん、はぁ──…」
リュウの唇が頬をかすめ、右耳へとやってくる。耳朶を甘噛みされ、その感覚に身をすくめた。
舌でくすぐりながら、首筋をなぞる。そして反対側も同様にされ、俺の体に熱がこもっていく。
「は、ン……、ぁ──」
着ていたシャツをめくり上げ俺の腕と首から器用に脱がすと、リュウも着ていたシャツを脱ぎ捨てた。
現れる、均整の取れた体。俺よりめ遥かに広い肩幅、胸板。
──ひどく、欲情した。
「綺麗だな」
唐突にリュウがそんな事を言い出し意味が分からず見上げると、リュウの指先が俺の体をなぞり、くすぐっさに身をよじる。
リュウがふっと笑った。
「綺麗な体だと言ったんだ。程よくついた筋肉、しなやかで、白い肌。思わず見とれる」
リュウの言葉に、俺は曖昧に笑う。
──俺は、綺麗なんかじゃ、ない。
リュウの指が胸の突起をとらえ、クリっと潰した。
「ン……っ、」
「だがそれと同時に──狂おしいほど、欲情する」
リュウの瞳に、獣が宿る。強い光を放ち俺を捉えた。
リュウの指と舌が体中を這い回る。
手が下に伸び、ハーフパンツと共に下着をずらされ、すでに勃ち上がったモノをキュッと握られ腰が震える。
先から滲み出てきた蜜をゆるゆると全体にのばすかのように触られ、もどかしい刺激に腰を揺らした。
「ン、もっ……と、」
強い刺激が欲しくて口から思わず零れた言葉。
理解したのかクスリと笑ったリュウは、モノをこする手を強くした。
「ふぁっ、ン、あぁ……っ」
先端をいじられ絶妙な強弱をつけて動く手に、早くも限界が近づく。
リュウの舌が胸の突起を舐め、時折歯で甘噛みしてくる。
「ん、も……っ、イく…っ」
「イけよ」
突起をかりっと噛まれモノを強くこすられ、俺はリュウの手に呆気なく欲望を放ってしまう。
「…っ、は、……」
力の抜けた体。
足に引っかかっていた服も取り払われ、リュウも全て衣服を脱ぎ去った。
現れたリュウのモノが視界に入る。
天井に向かい勃ち上がったソレを、早く欲しいと思ってしまった。
リュウが俺をうつぶせに体勢をかえ、四つん這いの格好にさせられる。
背中をリュウの舌と唇が這い、腰をさわさわと撫でられ、指が後ろをほぐし始めた。
指が入ってくるかと思いきや、ピチャ…と水音。
唾液を送り込み、舌が入ってこようとしていた。
「んっ、や…なめんな……っ、んぁっ」
「何故だ。気持ちよさそうだぞ?」
「や、だ……っ、あぅっ、」
「いいから。黙って感じてろ」
舌がうごめく感覚に、腰が揺れる。
しばらくの間舌で慣らされ指を入れられた時は、ぐちゃ、といやらしい音が耳に届いた。
三本の指が、ナカを蹂躙する。
カベをゆっくりとこすり、ゆるやかに回転しながら抜き差しされ、じわりじわりと追い上げられる。
「ん、あっ、は……っ、」
「気持ちいいか?」
耳元で聞こえる、低く甘い声。
俺はコクンっと頷く。
「は、も……いれ、て……」
今までねだることはなかった。
リュウに対して、初めての言葉を口にする。
はやく、はやく……欲しい。
「どうした?やけに素直だな」
少し様子の違う俺を、不思議に思うリュウ。
──今は、何も考えないで。お願いだから。
今は、何も──。
俺は顔をリュウに向け、じっとリュウを見つめた。
「おねが……っ、ンぁ…、欲しい……」
「──っ、お前は……、」
リュウの手がベッドサイドに置いてあったゴムへと伸びる。
口で封を開け中から取り出すと、素早く装着したリュウは俺を仰向けにした。
「あまり煽るな……余裕がなくなる」
──なくなればいいのに。そう心の中でつぶやく。
リュウのモノの先が、クチ……と後ろを押し広げる。
少しずつ、少しずつ埋まっていくリュウのモノ。
「ふ、あ……ン、」
リュウの顔が近づいてくるにつれて、深くなっていく。
半分以上埋まったところで、グチャン!と一気に沈められ、同時にリュウの唇によって俺の喘ぎが奪われる。
「あぁっ、ふ、む…、ンンっ」
俺はリュウの首に腕を巻きつけた。ゆるゆると戯れるように揺らされる。
舌が絡み合う音なのか、繋がる部分からの音なのか、部屋にいやらしい水音が響く。
ゆるやかだった腰の動きがだんだんっ強くなり、それに伴って水音も増していく。
「んぁっ、あ、あぁ……っ」
リュウの先端部分が絶妙に前立腺を刺激してくる。
──限界が近い。
「あっ、イ…く、んぁっ」
「……くっ、先、イっとけ…っ」
リュウの呼吸が乱れている。そのことにすら、煽られる。
「あ、だめっ、ん、あ、……っ、──あぁぁっ……!」
自分の腹とリュウの腹に、白濁が飛び散った。
「……くっ、は、」
自分のナカが、リュウを締め付けているのが分かる。
「んぁっ、あ、」
イったばかりの体は、ビクン、ビクンと震え絶えず送り続けられる刺激に、再び熱がこもる。
自分を追い上げるように、リュウの動きが強さを増した。
「ふぁっ、あぁっ……ま、た……っ」
「……くっ、……っっ」
奥に、熱い刺激。
リュウが放ったのをゴム越しに感じ、つられるように、俺も再び欲望を放った。
リュウのモノが抜ける感覚。
まるで逃がさないかのようにキュッキュッと収縮したのが、自分でもわかった。
リュウは残る一個を自身に装着すると、再び覆い被さってきた。
すぐに入れるのかと思いきや、顔にキスの雨を降らしたり頭を撫でたり、と戯れ出す。
唇に触れるだけのキスしか訪れず、じれた俺はリュウの唇をペロリと舐めた。
そのことに笑みを漏らしたリュウは、お返しとばかりに俺の唇を舐めてくる。
いつしか舌がからまり、深い口づけへと変わっていった。
甘い口づけを感じているとぐるりと体が反転し、リュウの体の上に乗る形になる。
唇を離しリュウを見下ろすと、リュウは少し意地悪そうに笑った。
「自分で入れれるだろ?」
ゆるゆると後ろに当てられる、リュウのいきり立ったモノ。
俺はそっとソレを掴み、あてがう。そしてゆっくりと腰を落としていった。
より深い場所まで入り込む、熱。総てを飲み込み、俺は息を吐き出した。
「ふ、ン……あっ、」
下からじっと俺を見上げるリュウの瞳と視線が絡む。
ふっと笑ったかと思うと、急にリュウが下から突き上げてきた。
「んぁっ……!あ、ンっ、」
揺さぶられら体が跳ねる。
リュウの右手が勃ち上がり蜜をたらす俺のモノを掴み、刺激を与えてくる。
そして左手はしっかりと腰を掴み回転も加えながら、俺を翻弄する。
「ん、あ……っ、あぁっ」
ヤ、だ。まだ、終わりたく、ない。
そう願っても、リュウの刺激は止まない。
それどころか益々強くなり、あっという間に限界に達する。
「やぁっ、だめ、あ……っ、イく、ン……っ──あぁぁっ!」
リュウの腹に、白濁が飛ぶ。
イった瞬間リュウを強く締め付け、その刺激にリュウも果てたのが分かった。
「……ふ、ぁ……、ン……」
ゆるゆると刺激を送っていたリュウの動きが止まり、この行為が終わりなことを告げる。
俺はゆっくりと腰を持ち上げた。
リュウに跨がったままの状態で膝立ちしていると、リュウが起き上がり自身からゴムを取り去った。
二回イったリュウのモノは、未だ硬さを保ったまま、上を向いている。
俺はやや下にあるリュウの頬をそっと撫でる。
その感覚に上を向いたリュウの唇に触れるだけのキスを落とすと、俺はリュウのモノの先端を後ろにあてがう。
戸惑いの表情を浮かべ俺を見るリュウに俺はふっと笑った。
「サービス、だよ」
「……いいのか?」
「いらない?……いらないなら、止めるけど」
「…いる。」
俺はリュウの首に腕を回し、腰を沈めていく。
──あ、ナマですんの、初めてだ。
未だ一度も、ナマで受け入れたことはない。リュウが、初めて。そのことが嬉しかった。
まだ俺にも、″初めて″があったんだ──。
ゴムを隔てていないソレは、なんだかリアルに形を感じ取る。
俺はぎゅっとリュウに抱き付いた。リュウの手も腰に回り、抱きしめてくる。
密着した、対面座位の体勢。くっついた場所から、熱が溶け合う。
このまま、溶け合って一つになれればいいのに。そんなことを思ってしまう。
「んぁっ……あっ、ンっ、」
「くっ、は……っ」
リュウの動きに合わせて、腰を振る。
「あっ、かい、ちょ……、んっな、まえ、呼ん…で……っ、あぁっ」
俺は、白夜、という言葉が耳に届くのを待つ。しかし、耳に届いた言葉は──。
「はっ、聖夜……っ」
胸がドクンと鳴る。目に涙が浮かんできた。
「──っ、かい、ちょ……っ!」
「隆盛、だ。そう、呼べ」
名前。リュウの、名前。
「あぁっ、隆、盛……っ、ふぁっ」
「く…っ、聖夜……っ」
もう、十分だ。
目から一筋、涙がつたう。
そして限界がきた俺は、隆盛にしがみついた。
「あっ、も……イ、くっ……隆、盛も一緒に……っ」
「……あぁ、はっ、」
一際隆盛のモノが大きさを増し、奥深くまでえぐられる刺激に限界が訪れる。
「あ、あ、───あぁぁっん……!」
「……はっ、──くっ、ぁ……!」
俺が放ったと同時に、奥に隆盛の白濁が放たれたのが分かった。
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