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甘い存在
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サラリ………サラリ………
行っては返るぬくもり。慣れ親しんだ、そのぬくもりは…。
「ん……りゅ、せ………」
唇をすべる、優しい感触。
そっと目を開けると、そこにあったのは黒耀石のような瞳。
優しく唇をなぞっている親指を喰(は)むと、クスリと微笑んだ隆盛が降ってくる。
ちゅ、ちゅ、とついばむように落とされる口づけが心地よくて、俺は再び目を閉じ、代わりにたくましい背中に腕をまわした。
「ふ……んぁ…」
ペロリと下唇を舐められ、わずかに開いた隙間からスルリと舌が侵入してきた。
2、3回ぐるりとくまなく這い回ったあと、ちゅっとリップ音を響かせて離れていく。
「風邪引くぞ、こんなとこで寝ていたら」
「ん……おきて……まってる……つもり、だった…んだけ…ど……」
離れたぬくもりが恋しくて、ぎゅっと隆盛にしがみつく。
「りゅーせ、ぬくい………」
「相変わらずお前は、寝てるところを起こすと幼いな。まぁ、可愛いが」
隆盛が俺を抱え上げて、ソファに座る。隆盛に跨がるような体勢になった。
髪を撫で、こめかみや頭のてっぺん、おでこなどに唇を寄せてくる隆盛にされるがままになる。
「ん……いま、なんじ……?」
「十時過ぎ。風呂入るか?一緒に」
「……うん」
戯れながらお互いに体を洗い、隆盛に後ろから抱っこされる形で湯船に浸かる。
「明日部屋の片付け手伝うぞ」
「いーよ。そんな荷物ないし。あ、でも運ぶの手伝って?」
「分かった」
首だけ振り返り、さんきゅ、と告げると優しい顔をした隆盛からキスを落とされる。
深くなるキスに、溺れそうになる。
徐々に高まる欲望。
「ん、は……アツい……」
「出るか」
俺を抱えて風呂から出てタオルで適当に体を拭った隆盛は、再び俺を抱え上げ、そのままベッドルームへ。
ベッドに降ろされ、上に隆盛が被さってくる。
落とされる口づけ。
撫でる手。
触れる指先。
伝わる体温。
そして────。
「愛してる。ずっと、そばにいろ」
囁かれる言葉。
隆盛から贈られるものすべてが
───────甘い。
どんなスイーツよりも、甘い存在。
「んぁ、ふ……、」
「聖夜……」
隆盛の舌が口の中にある俺の弱い部分をくすぐり、指先は胸の突起をひっかいてくる。
隆盛の顔がだんだん下に降りていく。
首筋や耳朶、鎖骨、胸、臍……擽るように、時にねっとりと舌を這わせながら。
指は後ろをほぐしながらナカに侵入し、内壁をこすりながら奥へ、奥へと深くなっていく。
「ん、ぁっ……りゅ、せ……!も、はや、く……っ、」
我慢できずそう言うと、口の端を上げニヤリと笑った隆盛。
そんな顔にすら甘さを感じてしまう俺は、随分隆盛にハマっているなと思う。
「欲しいか?」
なんて、意地悪く聞いてくるもんだから。
俺は隆盛を睨んだ。
「そんな顔をしても、俺を煽るだけだぞ。──欲しいか?」
「…………欲し…い……」
そう言うと隆盛は満足そうに笑い、ちゅ、ちゅ、と顔中にキスが降ってくる。
くすぐったさに身をよじった。
「ん、ぁ……あ、あ、」
ゆっくりと、少しずつ押し入る隆盛の、熱。
「っく、…そんなに締めるな」
「あっ、だっ…て……っ、あぁっ」
奥をグッと突かれて、体が跳ねる。
徐々に激しさを増す律動。
だんだんと、何も考えられなくなっていく。
後はもう、ただただ快感を追い、隆盛から与えられる刺激に酔いしれるだけ。
「りゅ、せ……っ、す、きっ、あ、ん……あぁぁっ……!」
「くっ……聖夜……っ、」
「聖夜、頭」
「ん」
頭の下に腕がまわって、ギュッと抱きしめられる。
「学祭は楽しかったか?」
「うん。俺さ、中学はあんま学校行事に参加してなかったから……楽しかった。
思い出いっぱいできたし」
「そうか。これからもどんどん楽しい思い出が増えるさ」
「うん」
これから増える思い出の中には、隆盛がいるといいな。
そう言うと、隆盛は嬉しそうに笑った。
「いてやるさ。必ず」
隆盛の瞳をじっと見つめる。
意志の強い、何にも染まらない、揺るぎない、黒。
強く惹かれた、その瞳。
中には、幸せそうに笑う俺が映っていた───。
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