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*番外編*飲み過ぎ注意 2
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side SINGO
ふわり、と。目尻を下げて、聖夜が笑った。
──いい笑顔じゃねーか。
その笑顔を見て、俺は安堵のため息をつく。
いつも瞳の奥に悲しみを宿していた。
他人に対して壁を作り、絶対に踏み入れさせないオーラを放っていた。
だけど今、こいつの瞳に悲しみはなく──柔らかい目をしてる。
そして、随分と雰囲気が優しくなった。
それもこれも、リュウのおかげ、か。
──良かったな、聖夜。
幸せそうな聖夜に、思わず顔が綻んだ──。
*****
side RUI
「……っ、」
聖夜の笑顔に、言葉が詰まる。
初めは、その風貌と刹那的な雰囲気に惹かれた。
だけど。
いつからか、本物の笑顔が見たいと思うようになった。
聖夜が浮かべる、心から笑う顔。
──できるなら、俺がそんな笑顔を引き出してやりたかった。
けっこう本気だったんだがなぁ。
リュウの隣で微笑む聖夜をチラリと横目で見る。
──でも、まぁ。
聖夜が幸せになれたのなら。
それでいいか。
これからも、その笑顔を見せてくれよ、聖夜──。
*****
side REN
笑った!!
今まで、笑っていなかったわけじゃない。
でも、笑いながらも、いつも悲しみを纏っていたから。
ずっとずっと思ってたんだ。
きっと、なんのしがらみもなく、心から笑う聖夜は絶対可愛いって。
やっぱり僕の目に狂いはなかった。
聖夜の笑顔のもとがアイツなのはちょぉっと気にくわないけど。
僕が笑わせてあげたかったなー。
でも、聖夜が笑顔になれるなら……アイツでもいっか。
聖夜の笑顔に、僕も笑顔になる。
ねぇ、聖夜。
これからも、いっぱいいっぱい笑って過ごしてね──?
****
side MITSU.
なんだか、涙が出そうになった。
──嬉しさと、安心で。
初めてて見せた、優しい笑顔。
グッとくるものがある。
悲しさを宿した瞳。
笑顔さえ痛々しい時があった。
俺は、どうすることも出来なかった。
良かったな、聖夜。
きっとソイツは、お前を護ってくれる。
だから、安心して笑ってろよ?
そして、目一杯、幸せになれ。
今よりも、もっともっと。
笑う聖夜を眺めながら、俺は指先でそっと目元をぬぐった──。
*****
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