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*番外編*飲み過ぎ注意 4
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side Ryu
聖夜の退院祝いをするから倉庫へ集合、と間宮から連絡が入り、聖夜を連れてきたわけだが。
正直を言えば、こいつらにあまり会わせたくない。
とくに、ルイ。
こいつの目は本気だ。本気で、聖夜を想ってる。
聖夜が靡(なび)くとは思ってない。それに、靡かせる気もない。
だがしかし、ここには聖夜を気にする奴らが多くて困る。
「あーあ。聖夜とられちゃったー」
「……聖夜のこと、気に入ってたのに……」
「ホント、ホント。なんでお前なんだよ」
レン、ミツ、ルイ。それぞれに愚痴られる。
すると、隣に座る間宮が愉快そうにククっと笑った。
「聖夜は人気者だからな。大変だなぁ」
呼ばれてなんの話しかと思えば、愚痴と、からかい。
知るか、そんなもん。
「まぁ、でもあんな笑顔見せられちゃな……」
ルイのつぶやきにレンとミツも頷いた。
それに再び笑う間宮。
なんだよ、と口を開こうとした瞬間、祐輔の俺を呼ぶ声が聞こえた。
その声に振り向き、目に映ったものは──。
少し色づいた頬、潤んだ瞳。
「ふぁー……」
悩ましげなため息。
目にしたモノに、固まる。
「あ、しまった」
横から間宮のつぶやく声が聞こえた。
「あ、聖夜酔ってる」
「ホント……」
「アハハっ、かーわいい」
続いて三人のつぶやきも。
「は?」
思わず間抜けな声がもれた。
そんな俺を見て、間宮があの状態を説明してくる。
「お前、見るの初めてみたいだな。
聖夜な、弱くはねぇからけっこう飲むんだけどよ。一定量超えると、あーなるんだよ。
なんつーか、無意識に色気振りまくみたいな?」
……おいおい、なんだそれは。
「でも、いつもよかすごくないか?」
ルイの言葉に、レンが頷く。
「なんか、パワーアップしてるー!」
するとミツは少し考えてから、俺を見た。
「リュウの、せいかな……」
は?俺の?
「あー、かもな。
前より雰囲気柔らかくなったし壁もないから、感情が素直になったぶん、酔い方にも表れたってワケだな」
感心するように頷く間宮。
「つか、いいのか?周りガン見だぜ?」
ルイの言葉にハッとして辺りを見回す。
ほぼ全員が聖夜の方を向いていた。
中には、ゴクリと唾を飲む奴までいやがる。
そんな様子に、慌てて聖夜の元へ向かった俺。
「聖夜!」
「あ、りゅうせー。話しはおわったのか?」
少し緩やかになった口調だが、受け答えはハッキリしている。
「ふはっ、気持ちいい……」
にこにこと笑みを浮かべて、俺を見返す聖夜。
ーーー完全に酔ってる。
聖夜、お前…質(たち)の悪い酔い方をするな。
「聖夜、お前もう飲むな」
「えー。」
口を尖らせるな!まったく。
「ふわふわいー気持ちで酔ってんのにー」
酔ってる自覚はあるのか。
なら自分がどんな状態になるのかも把握してくれ、頼むから。
「隆盛……もう帰った方がいいんじゃない?」
苦笑いの祐輔。チラリと聖夜を窺う。
すると目が合い、ふにゃ、と笑った。
か、かわいい!と誰かがつぶやく。
「……そうする。お前は?」
「明良が寝ちゃったからね。起きるまでいるよ」
どこでもすぐ寝る明良。隅で眠りこけている明良を指差し、肩をすくませる祐輔。
「聖夜、帰るぞ」
「えー、もう?」
「……帰りに甘いもん買ってやるから」
と、聖夜の好物で釣ってみる。無理か……?
「んじゃ、帰る」
案外アッサリ釣れた。
俺は聖夜の手を引いて立ち上がらせる。
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