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*番外編*ジェラシー
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青藍祭の準備が着々と進む頃。
生徒会の準備はやらなくていい、そしてクラスの準備も今やることがない。
そう言われれてしまった俺は、今中庭のベンチに寝転がって日向ぼっこ中だ。
隆盛は少し用事で出かけており、生徒会の仕事もない。
9月も後半、季節も秋の雰囲気を少しだけ感じ始め、だけど太陽の熱はまだ暑い。
隆盛…何時に帰ってくるかな。
もう帰ってくるハズなんだけど。
と思っていたら、ポケットに入っていた携帯が震えた。
取り出し、画面を見ると一件のメール。
あ、隆盛…。
『今帰った。どこにいる?』
携帯に向かって笑みをこぼし、返事をする。
『中庭。隆盛も日向ぼっこしよ』
ポケットに携帯を戻し、再び寝転がる。
そして目を閉じた。
…寝そー。
ふわふわ、夢に堕ちそうなぎりぎりのライン。
そこに、地面を踏みしめる音がした。
近づいてくる足音。
「…りゅーせー、おかえり…」
頭は半分寝てて。
目を閉じたまま、そう言葉にする。
足音が真横で止まり、ふ…となんとなく太陽の陽が遮られたような気がした。
……?
何も言葉を発さない隆盛。
不思議に思い、睡魔に抗って目を開けようとした、その瞬間。
「寝ぼけてんの?かーわい。
そんな可愛い顔で目ぇ閉じてたら、キスすんぞ?」
近くで、声がした。
……っ?!
隆盛の声じゃない……!
一気に頭は覚醒し、バチっと目を開ける。
「あ、ああ葵っ?」
「んー。驚いた顔もいいな」
「は?ちょ、おまっ…とりあえずどけっ」
10センチほどの至近距離に葵のドアップ。
おそらく地面にひざをついているんだろう、葵が俺を覗き込んでいた。
「えー。聖夜の顔見たいし。嫌」
「何言って…!ちょ、マジではな――」
離れろ!と叫ぼうとしたんだ、俺は。
だけど俺よりも先に、声が響いた。
「何をしてる」
「おっとぉ、会長サマ」
「隆盛っ」
5メートル程離れた場所から、俺たちを見つめる……黒い双眸。
………………怖いんですけど。
「ちょ、マジどけっ!」
「せっかく可愛い顔眺めてたのになぁ」
なんてブツブツつぶやきながら、しぶしぶといったように葵は顔を離し立ち上がった。
「そんな怖い顔で睨まないでくださいって。何もしてませんよ」
飄々と答える葵。隆盛のコメカミがピクリと反応した気がする。
「何かしてたら、ただじゃすまさん。なんでここにいる」
「こっわ。準備の休憩中に、聖夜が見えたから来ただけっすよ」
「とっとと去れ」
「分かりましたー。聖夜またなー」
ヒラヒラと手を振りながら、葵はこの場を去っていった。
うん、葵。
お前の、隆盛に対して物怖じしない精神は褒めてやる。
褒めてやるから、……もう少し居てもよかったんだぞ。
近いてくる隆盛。
………うわぁ、怒ってる……。
俺の目の前に立った隆盛は、物言いたげな視線でじぃっと俺を見下ろした。
「お、おかえり、隆盛」
「ただいま」
声も、怒ってますね……。
思わずうつむく。
隆盛、葵のこと良く思ってないんだよなぁ。
まぁ、一言で言えば、気に入らない?いや、気にくわない?
葵のヤロー、いつも隆盛の怒りポイントつつきやがる……。
なんてぐるぐると考えていたら、隆盛にアゴを掴まれて、グイッと上げられた。
「聖夜」
「……ハイ」
「何もされなかったか?」
「……ハイ」
さっきよりはだいぶおさまったみたいだけど、その目にはまだ怒りの色がちらちら。
「…葵は、俺に手は出さねーぞ?
アイツ、あーやって言ってくるけど、本気じゃねーし…」
「知ってる。でも気に食わん。お前に必要以上に近づくのは」
…まぁ、スキンシップの激しい奴で、ウザイけど。
「…ごめん。俺も油断してた。
隆盛にメールした後だったから、完全に隆盛だと思ってて…」
警戒心を持ってくれ。
度々言われるその言葉。
俺としてはけっこう周りを警戒してるつもりなんだけど、隆盛に言わせりゃ足りないらしい…。
「まぁ、いい。ほら、行くぞ」
「行く?ってどこ」
ここで一緒に日向ぼっこしよーってメールしたのに。
「部屋。」
隆盛は、一言。
その一言に、イヤーーな予感がするのは俺だけだろうか。
「……気持ちいいぞ?外。ほら、いい天気だし、日向ぼっこ日和……」
「ここでもいいが?たしかにいい天気だしな。さぞ気持ちいいだろうな」
……気持ちいい、の部分が強調された気がするのは俺の気のせいであってほしい。
「…まだ、お日様高いぞ?
部屋にこもるなんて、んな不健康な…、おわっ…!」
「つべこべ言うな。行くぞ」
グイっと腕を引っ張られて、無理やり立たされた。
そのまま手をぎゅっと握られて…連行。
…いや、連行されちゃダメだ!
「…隆盛、な、マジで俺が悪かったから!葵に鉄拳くらわしとくから!
だから…」
「鉄拳なら俺がくらわせてやる。お前はお仕置き」
お仕置きぃっ?なんで俺が!
「…っ、ちょ、待っ…」
「待たん」
そのままぐいぐいと引っ張られて、裏道を通って寮へと連行。
そして隆盛の部屋へ。
「…ひぁっ、りゅうせっ…やだぁっ」
「やだと言うわりには、腰が揺れてるぞ?」
「あぁっ…、も、むりぃ…っ」
「無理じゃない。ほら、気持ちいいだろ?」
「んぁっ…!こわ、れる…っ!」
「壊れたら、俺が治してやるよ」
隆盛は怒ると、執拗になる。
もうやめて、もう無理。
もはやお願いじゃない、懇願だ。
何度言っても止まることなく…ほんと精も根も尽き果てるまで、終わらない。
でも、マジで無理。意識飛ぶ。絶対飛ぶ。
「りゅう、せ…っ、んっ…は…も、ゆる、し、て…っ」
生理的な涙がぽろぽろとこぼれ、頬を伝いシーツに落ちる。
その涙を拭う手は優しいのに、打ち付けられる腰は激しい。
「聖夜…お前に触れていいのは、俺だけだ…っ」
「わかって、る…っ、あぁっ…、も、だめ…っ、イっ…ふ、ぁ…あぁぁっ…!」
何度目か分からない射精は、もう勢いをなくし、パタパタとかすかにこぼれるだけ。
ふわふわ、頭が揺らぐ。
…、しつこ、すぎ…今日…も、ダメ…。
「…っク、は…」
耳元での熱い吐息と、ナカの一番奥で感じた熱を最後に、そこで俺の意識は…プツリと途絶えた。
翌日。そう、翌日だ。
いつの間にか…ってか人がぶっ飛んでた間に、もう朝。
…何時間ヤってたのか考えるだけ恐ろしい…。
隣には、ケロっとした顔の男前、約一名。
なんでお前…
「そんな元気そーなんだよ…」
こっちは起き上がる力も出ないってのに。
いつも以上にしつこかった行為は、俺の腰を壊した。
ベッドに伏せる俺は、隆盛を恨みがましく見上げる。
「お前はイきすぎたからじゃないか?」
「…誰の仕業だ、おい!」
「俺だな」
嬉しそーに言うな、こら。
「…立てない、喉かわいた」
「はいはい」
スウェットとシャツを着た隆盛は寝室から出ると、水を手にして戻ってきた。
「ほら」
ちゃんとペットボトルにストロー刺さってるところが、気が利くな、マジで。
その気づかいを俺の腰にもしてくれ。
半分ほどを一気に飲み、とりあえず喉は潤された。
「…今日授業無理。休む」
「木崎に連絡しておいた」
…そーですか。っつか、行かせる気なかっただろ!人をこんなにしておいて!
「…隆盛は?用意しなくていーのか?」
「俺も休む」
「は?」
動けんなら、行けばいいのに。
「動けないだろ?面倒見てやらいとな」
…だから誰のせーですか。
結局俺がまともに動けるようになったのは、昼を過ぎてから。
機嫌良さそうに俺の世話をする隆盛を見て、思う。
嫉妬、だもんなぁ。
あんなエッチされても本気で嫌だと思えないっつーのが、悩みのタネだったり…。
でも、マジで身がもたん。
とりあえず葵。
ぶん殴る。
END
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