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*番外編*ふりまわされてる?
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ソファに座り俺にもたれかかる聖夜の艶やかな髪を撫でる。
気持ち良さそうに目を細め、手にすり寄ってくるさまは、本当に猫のようで。
そんなしぐさに、思わず笑みがこぼれた。
目にとまった桜色の唇。
軽くキスを落とす。
そしてさらに深く唇を味わおうと、聖夜のアゴに手をかける……が。
スルリとその手を外された。
「聖夜?」
「……ん~、ちょい今待って…」
「どうした?」
「ん、黙ってて」
そう言ってぼんやりと前を見たまま、目も合わせてこない。
どうしたんだ?
いつもなら可愛い顔で笑ってくるのに。
「おい」
「んー、待ってってば」
「…聖夜?」
「あーもー、うるさい!」
再度名前を呼べばうやくこっちを見たが、鋭い眼差しでジロリと睨まれる。
…何か怒らせることでも……したか?
普段と違う聖夜に、少し戸惑う。
「どうした?何を…」
「あーっ、だから黙ってって!」
声をかければかけるほど、聖夜の機嫌が悪くなっていく。
なぜだ?
俺は、何かしたのか?
一点をじっと見つめ何かを考える聖夜。
これ以上声をかければさらに悪化しそうな雰囲気に黙るしかない。
ただ聖夜の横顔を見つめながら、何か聖夜の気に障るようなことをしたのか…と過去を振り返る。
もう入れてとお願いしたのに、じらしたことか?
もう無理と懇願したのに、それでも止めずに気絶するまでヤってしまったことか?
それとも、生徒会室で抑えきれずに手を出し、祐輔たちに見られたことか?
思い出せば出てくる自分の行いに、焦る。
どうしたら……謝れば許してくれるだろうか。
「せい…」
意を決して聖夜に声をかけようとする……が。
突然立ち上がった聖夜に、俺の言葉は遮られた。
聖夜はこっちには目もくれずスタスタとリビングのドアに向かって歩いていく。
何も言わずに出て行こうとする聖夜。
そのことに聖夜は本気で怒っているんだと感じた俺は、ただただ聖夜の後ろ姿を見送ることしかできなかったーー。
ひとり残されたリビング。
「はぁ……」
深い深いため息がこぼれる。
何をしているんだ、俺は。
深い自己嫌悪が俺を襲う。
聖夜……。
しばらくの間頭を抱え深くうなだれたいると、リビングのドアが開く音が聞こえた。
視線を向ける、と……え?
そこにはにこにこと機嫌が良さそうに笑う聖夜。
…………は?
鼻歌まで歌いながらやってきて俺の隣に座り、そして甘えるようにもたれかかってくる。
「せ、聖夜……?」
「んー?なんだ?」
さっきとは打って変わって、笑顔を浮かべて俺に視線を合わせてくる。
「いや、あの…」
「なんだよー。あ、隆盛。明日は晩ご飯、食堂で食べるな」
「あ、あぁ…わかった…」
「あ、隆盛の作るご飯に飽きたんじゃないからな?奏と約束したんだ、明日一緒に食べよって」
「そうか…」
今の聖夜を見る限り、怒っている雰囲気は全くない。
なんだったんだ?さっきのは……
とりあえず、機嫌は良さそうだから、いい…とするか…
いや、いいのか……?
疑問に思いながらも、にこにこと笑う聖夜に、何も聞けずにいる俺だったーー。
++++++++
side SEIYA
「うっまそー!」
晩ご飯も食べ終わり、目の前のデザートを見て感激する奏。
そんな奏の反応にかなり満足気な俺。
「だろー?昨日めちゃめちゃ考えたんだよー」
祐輔先輩が、新しいデザートプレートでも食堂のメニューに入れる?なんなら、聖夜くんが内容考える?
なんて言ってくれたから、昨日めちゃめちゃ悩みながら決めたんだよなー。
内容決まってすぐに祐輔先輩に言いにいったら、じゃあ早速明日から入れてくれるってゆーし!
すぐに奏を誘ったね、俺は。
「うまーい!よくやった、聖夜!」
「だろだろ。あー、うまーい」
奏と二人、次々とケーキを口に入れていく。
あ、このチーズケーキなら隆盛も食べれそうな味。そんなに甘くないし。
そーいや昨日、隆盛なんか変だったなぁ。
話し方も歯切れ悪かったし、チラチラと見てくるし……エッチもすげー優しかったし……。
んー。どーしたんだろな。
「はー、うまかった。また食べようぜー、聖夜」
「おー。あ、このタルトにアイス添えたらうまそーじゃね?」
「おぉ、いいかも!」
「祐輔先輩に言ってみよー」
ま、隆盛も何かあんなら言ってくるだろ。
END
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