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ー占いー
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(今日のラッキーアイテムはパンをくわえて猛ダッシュ!ぶつかった相手が運命の相手でーす!でもでも~、本当はそのパンを・・・・)
あほくさ・・・・
そのままTVを消してカーテンを閉めた
今時そんな事をするお馬鹿さんがいるのか?
一昔前の少女マンガでもあるまいし・・・そもそもそれってラッキーアイテムと言えるのか?
運命の相手って・・・・・下らないと鼻で笑いながら制服を着て玄関を出た
親は2年前に事故で死んだ
今まで連絡すらよこさなかった親戚たちは、その保険金目当てで俺を引き取ると喧嘩までしだした
そんな争いが醜く思えて仕方が無かった
だから俺は一人で生きていくと決めたんだ
幸い住む所は両親の残したマンションがあったしね
でも、成人するまでその保険金は親戚が管理する事になった
そして・・・・・・・それを持ち逃げされた
全てが嫌になったし、誰も信用できなかった
生活費は俺がバイトをして何とか生きてこれた
まぁ・・・・・そのバイトもまともなバイトじゃないんだけどね
電話があれば会ってやらせて金を貰うみたいなさ
金払いはいいけど、みんな金持ちじじいばかりで変態プレイが好きな奴らばかり
はじめは、金を持ち逃げされて死にたいと思いながらふらふらしていた俺に声をかけてきたのがきっかけだった
そいつは自分の知り合いに俺を紹介して、俺はあっという間に人気者になった
嬉しくないけどね
でも、生きるためには我慢しなければいけないし
しかし、なんで男がいいんだろう
可愛い女の子とか綺麗な女性はたくさんいるのにおかしな奴らだ
穴があればいいってものでも無さそうだし
止めよう・・・・朝からそんな事を考えたくも無い
学校までは徒歩で約10分
今出ればいつもの時間に学校に着く
見慣れた曲がり角
今日は少しだけ暖かい
「いって!!」
「・・・・・・・・・・・いたい」
マジかよ
今までこの道を3年間通ってきたけど人とぶつかった事は一度もないのに
「えっ・・・・・」
しかもこいつ
パンをくわえてるし
「あっ!」
(今日のラッキーアイテムは・・・・・・)
いやいやいや
ラッキーアイテムじゃないし、関係ないはず
取りあえず、転んで動かない奴に手を差し出した
「大丈夫か?」
「謝って」
「は?」
「ぶつかってきたんだから謝って」
何言ってんだこいつ
なんかイライラしてきた
「あのさー、そもそもぶつかって来たのはそっちだろっ!謝るならお前が謝れ」
「謝って!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何だこいつ
同じ学校の1年みたいだけど、初めてみる顔だ
「お前、転校生?」
「謝って」
ったく・・・・・なんなんだ
「悪かった」
「手」
「はいはい」
手を差し出し、小さな体を引っ張りあげた
そいつは制服についた埃を払いながらめんどくさそうに言った
「昨日転校してきた」
話はまともに出来るのかよ
でも、なーんかむかつく
「そうなんだ、見ない顔だと思った」
「当たり前の事を言わないで」
「は?」
やっぱむかつく
と言うか、占いなんて当たって欲しくないと心の底から思った
「君も1年なの?」
「俺は3年!」
「そうなんだ・・・・へぇ」
「何」
「別に」
「・・・・・・・・・・・・・・・じゃな」
もう関わるのは止めよう
占いは信じていないけど何となく嫌だ
「足が痛い」
「はい?」
「転んだから足が痛い」
「・・・・・・・・・・・・・・・わかったよ」
確かに膝を擦りむいてるし、俺も多少は悪かった・・・・・って!なんでそうなるんだよ!!
「おんぶでもしろって?」
「馬鹿じゃない?」
「は?」
「転ばないように手を繋ぐって教わらなかった?」
・・・・・・・・・・・・どこの学校から来たんだよ!
何だ、その幼稚園ルール
「はいはい」
でも、遅刻してしまいそうなので仕方なく手を繋いで歩いた
てか、明らかにおかしいだろ
なんで男同士で手を繋いでるんだよ
「繭?」
「和海」
「どうしたのですか?」
「ぶつかった」
「怪我は?」
「ない」
はぁぁ??
てか、このクソ高そうな車に乗ってる奴は誰だよ
「そちらの方は?」
「ぶつかった人」
「成程、そうでしたか」
「じゃ、俺はもういいよな?」
「失礼ですがお名前は?」
「・・・・・・・・・・何で」
「繭も悪かったので謝りたいと」
「いいよ」
「いけません」
まためんどくさい奴が現れたし
こいつは社会人か
でも、明らかに普通の社員ではなさそうだけど
「和海、遅刻する」
「そうですね、では車に」
「俺はいい」
「いけません、どうぞ」
「はぁ・・・・・」
仕方なく車に乗り、二人を見つめた
「貴方のお名前は?」
「翔」
「では、翔君・・・手を」
「は?」
こいつまで手を繋ぐとか言わないよな?
「何で?」
「怪我をされています」
「えっ?」
全く気付かなかったけど、手の平から血が出ていた
・・・って!俺のほうが怪我してるじゃん!!
「じっとしていて下さいね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
高級車ってのは薬まで置いてあるのかよ
初めて知ったな
「繭は人見知りが激しいのでよろしければ仲良くしてあげて下さいね」
いやです!と心の中で呟きながら頷いた
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