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「積極的なのは嬉しいが、ルームサービスが届いたみたいだ」
「あっ・・・あはっ」
やはり面白い奴だ
シャイかと思えば、今みたいに抱きついてくるとはね
「すごい・・・・」
「好きなだけ食べろ、足りなかったらまた持って来させる」
「はい、いただきます」
と言うか・・・・こいつさっきから日本語で話しているけど
「何故日本語を?」
「母親が日本人だったので」
「そうか」
「でも、最終的には捨てられましたけど」
「会いたいか?」
「えっ?」
「会いたいのなら捜してやるぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・いえ、今は会いたくありません」
「そうか」
「ずっと考えていました・・・・親だから憎しみはわかないと」
「冷たいようだが、子供を捨てるような親には親を名乗る権利はない」
「はい、なぜ俺だけ置き去りにしたのか・・・・・助けたいと思うのなら一緒に連れて行って欲しかった・・・・・辛くても、貧乏でもその方が・・・・」
「そうだな」
「なのに、物を捨てるみたいに置き去りにされて、何も知らなかった俺はただ怯えるだけで」
「それで裏の世界にか」
「はい、でも悔しいから死のうとは思わなかった・・・・だけど、裏社会で生きる事のほうが死ぬよりも辛いと何度も思いました」
「お前には無理だ・・・人を殺す事は出来ない」
「・・・・・・・・・・・・人を騙してお金を奪っても後悔ばかりで、いつもへたれだと言われて殴られていました・・・でも、生きて行く為には方法がなくて」
「そういう事だな」
「ずっとあの世界で生きていく自信も勇気もないまま毎日暮らしていました・・・・・毎日空腹で寝不足で不安で・・・・・・孤独でした」
「もうそんな心配はしなくてもいい」
「信じられない・・・・・今でも夢みたいで」
「もう止めよう、食べろ」
「はい」
こいつはこいつなりに苦労してきたわけか
不器用すぎて辛い事も倍って訳か
「すごく美味しいです!このローストビーフ」
「じゃ、もう少し持ってこさせよう」
「嬉しいっ!」
可愛いな・・・・・
一生懸命に食べてる姿はまるで・・・・・・・・・
ハムスターみたいだ
「ソースがついてる」
「あっ、ありがとうございます」
どうやら頬袋はないらしい
「ゆっくり食べろ」
「はい、つい美味しくて」
「来たみたいだ」
いつものように100ドル札を持って立ち上がると、手を掴まれた
「どうした?」
「まさか・・・・チップ?」
「ああ、少なかったのか?」
「違います!多すぎですよっ!!」
「そうなのか?」
「もしかして今までずっと?」
「ああ」
「もうっ!ルームサービスですので5ドルで十分です」
「えっ?」
「俺が渡して来ますから」
「ああ」
そうだったのか
多かったのか
「ボーイさんがすごく残念がっていましたけど、もうだめですよ?」
「お前が居れば問題ない」
「そうですね、今度からは俺が渡します」
「そうしてもらえると助かる」
「はい」
やはり面倒臭いシステムだな
「ここでは給料とチップが収入源になっているので給料も日本とは違い少ないんです」
「そうなのか」
「場所によってチップの金額が変わりますが、大体は金額の10%と考えておけばいいと思います」
「面倒臭いな」
「・・・・・・・・・・・もしかして、面倒臭いから100ドルを?」
「いや、そうではないが」
「店にもよりますのであくまでも目安ですけど」
「でも、もうすぐ日本に帰るので問題ない」
「・・・・・・・・日本」
「ああ、お前もな」
「すごく行きたかったんです、桜や紅葉が綺麗だと聞きました」
「別荘へ行けば見る事が出来る」
「えっ」
「とにかく食べろ」
「あっ、はい」
そうだったのか
和海の奴、教えてくれればいいものを・・・・・・
でも、燕羽なら和海の恋人ともうまくっていけるだろう
・・・・・・・・・・・・多分
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