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空港内を歩きながらふと、足を止めた
「・・・・・・・・・・・・・・」
「どうしました?」
「いえ・・・・何か実感が無くて」
「すぐになれますよ、空港を出たらそのまま屋敷に向かいますので」
「はい」
本当に来たんだ
ここが日本・・・・・まだ信じられなかった
空港を出ると、大きな車が止まっていた
すごい車だなーと思っていたら、その車のドアが開いた
「お帰りなさいませ」
「ああ」
えっ・・・・・
マジで??
「どうぞ」
「はい」
すごい車に乗ってしまった
車内から外を見つめると車や人は多いけど明らかに違う景色だった
建ち並ぶビルや当たり前のように走っているたくさんの日本車
ここが冬矢さんの生まれた国なんだ
でも、何となく引っ掛かる事もあった
翔も和海さんも普通に会話してくれるけど、たまにすごく悲しそうな表情をしていた事
今もそう
話しかける事に躊躇ってしまう
仕方なく、外の景色を見つめ違和感に気付いた
あれ・・・あのビルの日付って
時差があるとしても変だ
「あの」
「どうしました?」
「今日は何日ですか?」
「・・・・・・・・・・・・今日は16日です」
16日・・・・・
あれ・・・やっぱりおかしい
それに、どうして部屋に和海さん達が居たんだろう
冬矢さんはそんな事一言も言っていないのに
「和海、ちゃんと説明した方がいいんじゃない?」
「そうですね」
「・・・・・・・・・・・・・・・あの」
「燕羽は疲れていたのだと思い、起こさなかったのですが」
「えっ?」
「お前、丸一日寝てたんだぞ?深夜TVでも観てたのか?」
「ええっ?」
嘘・・・・・
俺、冬矢さんが出て行ってから次の日の朝ではなくてそのまま眠り続けていたって事?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「まぁ、俺も2日とか普通に寝てる時あるしな」
「じゃ、起きるのを?」
「ええ、機内では疲れますので睡眠は十分とったほうが良いかと」
「そうだったんだ・・・・なんかごめんなさい」
「気にしなくてもいいのですよ」
「そそ、お前いい夢見てたみたいだし」
「あ、あはは・・・」
そうだったんだ
初めて美味しい料理をお腹一杯食べたからかな
それに、まとも所で眠っていなかったしベッドがふわふわで起きれなかったのかも
でも、何となく一度起きてペットボトルの水を飲んだような
と言う事は、そのまままた眠ってしまったんだ
「あの」
「はい」
「冬矢さんにはいつ会えますか?」
「まぁまぁ、そんなに慌てるなって!」
「でも」
「来週には戻ると思いますよ」
「来週か・・・・」
後5日もある
仕事かな?
「もうすぐ着くぞ」
「うん」
話をしていたら、外の景色が変わっていた
ホントに都会なのかな?
緑がたくさんある
公園でもなさそうだけど
「さっきまで車とビルしか見えなかったのに、公園もあるんですね」
「ここはもう敷地内です」
「えっ・・・」
話をしていて気付かなかった
いつ門を通ったんだろう
「今日はゆっくり休んで、明日敷地内を案内してやるよ」
「うん」
と言うか、めちゃ広いし
そして見えてきた屋敷を見て更に驚いた
「お城?」
「まさか、降りるぞ」
「あっ、うん」
今更だけど、物凄いお金持ちだったの?
ホントに今更だけど
玄関前にはメイドさんらしき人達が立っていた
まるで映画みたい
「お帰りなさいませ」
「彼はこれからここで一緒に暮らす燕羽です、粗相の無いように」
「かしこまりました」
えっ・・・・ここに住むの?
冬矢さんがここに住んでいるのなら当たり前だけど
とにかく、屋敷の中に入っても驚く事ばかりだった
こんな家に住んでいる人が本当にいるなんて
「燕羽の部屋には俺が案内するよ」
「ではお願いします」
「わかった、行こう」
「うん・・・あの、いろいろありがとうございました」
「いえ、申し訳ありませんが私は仕事がありますのでまた出掛けますが、わからない事は翔に聞いてくださいね」
「はい、頑張って下さい」
日本に戻って来てもすぐ仕事なんて大変だな
「疲れたろ?」
「少し」
「今日はお風呂に入って、ゆっくり安め」
「うん」
長い廊下と古い柱時計
高そうなテーブルには大きな花
高い天井はキラキラのシャンデリアが吊るされていた
廊下から見える玄関は広くてピカピカに磨かれていた
「ここから突き当りまで空き室だから好きなところを使え」
「翔の部屋は?」
「俺はここだけど」
「じゃ、隣でもいい?」
「オッケー!」
そう言って金のドアノブを握り、ドアを開けた
「どうぞ」
「うわっ・・・・広い」
ホテルみたいな部屋だし
「ベッドルームは奥だから」
「あの」
「ん?」
「怖いかも」
「えっ?」
「あはっ」
広すぎて怖いし落ち着かない
「んじゃ、慣れるまで俺の部屋に来るか?」
「いいの?」
「いいよ、じゃ行こう」
「うん」
翔の部屋も当たり前のように広かったけど、何となく落ち着く
「じゃ、お前はそこのベッドルーム使え」
「えと」
「ん?」
「怖い・・・・かも」
「えっ・・・」
「あはっ」
だって、一人で眠るには広いし怖い
ホテルは冬矢さんが居たから怖くなかったけど
「じゃ、一緒に寝るか?」
「うんっ!」
「わかった、荷物は・・・・ないか」
「うん」
「お腹は空いてないか?」
「まだ平気」
「そっか、俺は着替えてくるから適当に座ってろ」
「わかった」
豪華なソファーの前に立ち、どこに座ろうか悩んだ
取りあえず端っこでいいかな
ソファーに座り、部屋の中を見渡した
「あっ・・・・写真」
アンティーク調のテーブルの上に、綺麗な百合の花と写真が飾ってあった
冬矢さんと翔と和海さんだ
すごく中がよさそう
しばらく写真を見つめ、溜息をついた
「早く会いたいな・・・・・」
そのまま窓から中庭を見つめた
噴水・・・・・・・すごい
綺麗な芝生とたくさんの花が咲く花壇
木々からは小鳥のさえずり
ここは日本だと言う事すら忘れてしまいそうな景色だった
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