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燕羽が眠ったのを確認して、和海の部屋に向かった
「和海」
「燕羽は眠りましたか?」
「うん、それで冬矢は?」
「まだ見つかりません・・・・・早くゆっくり眠らせてあげたいのに・・・・・」
「だね」
冬矢は和海との電話の後、姿を消してしまった
一体どこで死んでいるんだろう
考えるだけで気が狂いそうになる
「早く見つけてあげたいね」
「ええ」
日本ならすぐに見つけられるのに・・・・・
それが悔しいよ
「翔」
「うん」
「燕羽の事ですが」
「・・・・・・・・・・・・・言えないんだろ?」
「翔もですか?」
「まぁね・・・・あいつさ、まるで主人を待つ忠犬みたいだよ」
「そうですか・・・・・・・・翔、考えがあるのですが」
「うん」
「燕羽の記憶を摩り替えてしまうというのは?」
「俺も思った・・・・・悲しいけど、冬矢の記憶を消してあげた方があいつの為かもしれないな」
「ええ、これからここで暮らして行くのなら帰らない人を待ち続けるのは余りにも酷なようで・・・・それに」
「事実を告げればあいつも間違いなく後を追う・・・だろ?」
「ええ」
「だよな・・・・今日も眠るまでずっと冬矢の話をしていたよ」
「冬矢は怒るでしょうね」
「でも、生きている人間の方が大切だろ」
「そうですね・・・・・では、早いほうがいいですね」
「わかった」
記憶を摩り替えるか・・・・・
それがあいつの為なのかはわからないけど、このままでは前へは進めない
「俺達の関係は兄弟でいい?」
「そうですね」
「わかった、使用人達は頼んだ」
「はい」
屋敷の使用人は和海の命令には絶対だから大丈夫だろう
「ところで燕羽っていくつなんだろ」
「見た感じでは17ぐらいに見えますね」
「だよな、それは明日聞いておくよ」
「はい」
「じゃ、今夜はもう寝るね」
「いつも無理を言って申し訳ありません」
「いいよ、俺燕羽の事好きだしさ、悲しませたくないんだ」
「わかりました」
「じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
和海の部屋を出て、そのままバルコニーに向かい空を見上げた
アメリカでは星も見なかったな
「冬矢・・・・・・」
一人になるときついな
楽しい思い出しか思い出せないや
いつも優しかった冬矢が大好きだった
本当の兄のように慕っていたのに・・・・・・
もう
この世界にはいないんだね
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