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深夜、和海が帰ってきたので部屋に向かいドアをノックした
「どうぞ」
半裸なのに全く気にする様子はない
まぁ、俺も気にしないけど
「今日、楓がお土産を持って来てくれた」
「・・・・・・・・・・そうですか」
「和海の分は冷蔵庫に入ってるから」
「えっ」
「蟹の帽子よりはマジだと思え!」
「・・・・・・・・・・・・私もいただきました」
「帽子?」
「いえ・・・・・毛ガニ柄のネクタイを」
「ぶはっ!!楓のお土産なんだからちゃんと使わないとねー」
「・・・・・・・・・・・・・・・泣きそうです」
「でもさ、燕羽とは仲良く話をしていたよ」
「そうですか」
「味覚が似てるみたいだけど・・・・」
「うっ・・・・・」
「思い出して口を押さえるなよ」
「あれはもはや兵器に近いと」
「確かに」
シャツを着て、髪をかき上げながら溜息をついた
相変わらず綺麗な髪だ
そう言えば、冬矢の髪は綺麗な金髪だったな
双子だけど髪の色だけは違っていたから見分けがついたんだけどね
「楓に冬矢の話をした時・・・・」
「うん」
「泣かれて困りました」
「そっか・・・・・冬矢とも仲がよかったしね」
「ええ」
「俺さ、考えたんだけど」
「はい」
「もう一度行って捜してみようかな」
「危険ですよ」
「でも・・・・・連絡を待っているだけでは辛いよ」
「確かに辛いですが、行ったところでどうしようもありません・・・・・現にたくさんの人間が動いているのに手がかり一つ見つからないのですから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「悔しいですが、待つしかありません」
「後10回殺しておけばよかった」
「私は100回殺しても殺し足りませんが」
「だよね・・・・当たり前だけど和海達は生まれた時から一緒にいたんだし」
「ええ」
本当に悔しいよ
何も出来ないのがすごく悔しい
でも、和海も同じなんだ
「実は明日から5日程出張なのですが」
「うん」
「燕羽も連れて行こうかと」
「そか・・・・どこへ?」
「北京です」
「それなら燕羽は里帰りみたいなものかもね」
「記憶が残っていればそうなりますね」
「・・・・・・・・うん、気をつけてね」
「はい」
「じゃ、今夜は早く休んだ方がいいね・・・・おやすみ」
「おやすみなさい」
部屋を出て、今度は燕羽の部屋の前にやって来た
まだ明かりがついているけど・・・・・
「燕羽、起きてる?」
「翔?どうぞ」
起きていたらしい
「まだ仕事を?」
「うん、明日から出張だから色々準備を・・・・あっ!明日から5日間いないからね」
「・・・・・・・・・・・・今頃言うなよ」
「あははっ」
「どこまで行くんだ?」
「んとね、北京!」
「へぇ・・・・言葉とか大丈夫かよ」
「それがね、俺天才かも!」
「へっ?」
「一応勉強しようと思って本を読もうとしたら、なんか言葉がわかるんだ、すごくない?」
「・・・・・・・・すごいな」
「でしょでしょ!」
記憶が残っていたらしい
でも、下手に聞くのは危険だ
「じゃ、早く寝ろよ」
「うん、お土産買ってくるね」
「プリン以外で頼む」
「わかったー」
「あと、変な被り物とかもいらないから」
「了解!」
「俺はもう寝るよ、おやすみ」
「おやすみっ!」
ドアを閉めて溜息をついた
何もしないで言葉が理解できる天才なんかいるかよ・・・・・
でも、そう考えるのは燕羽らしいな
明日から一人か
寂しさが増しそうだ
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