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不思議な人
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和海さん・・・・・遅いな
お腹空いたけどどうしよう
先に食べるのはあれだよね
「ん~~~」
そんな事を考えていると・・・・・・
「あっ、携帯しまったままだった!」
ずっとカバンの中だった
急いで取り出して電源を入れた瞬間顔が青ざめた
「うっ・・・和海さんから着信が・・・・メールも」
落ち着こう
とりあえず落ち着いてメールを読もう
ドキドキしながらメールを開くと、遅くなるので食事はルームサービスで済ませて先に寝ていろと書かれてあった
「ルームサービスか・・・・・どうしよう」
一人だしレストランに行った方がいいよね
寂しいけど部屋で食べるよりいいし
「よし!」
財布とかいるかな?
いるよね?
チップって必要かな?
何となくいらなかったような・・・・でも、ここは有名ホテルだし周りを見ていればわかるかな
とりあえず食事が出来るだけの金額だけ持って・・・・っていくら必要かな?
う~ん、わからないや・・・・それに、もし部屋に泥棒とか入ったらどうしよう
パスポートとか盗まれたら大変
そんな事は無いと思うけど、心配しだしたら気になって仕方が無い
「これでよし!」
財布とパスポートを内ポケットに入れてレストランに向かう途中、人のよさそうなおじいさんに声を掛けられた
「お兄さん、これからお食事ですか?」
誰だろう
宿泊客かな?
「はい」
素直に返事をした
「でしたらいいレストランがありますよ、一緒にいかがですか?」
「えっ?」
「年寄りが一人で食事をするのは何だか味気なくてねぇ」
確かにそうかも
なんかいい人そうだし、このホテルに宿泊してるのなら安心かな
「そのレストランはどこに?」
「タクシーですぐですよ」
「タクシー」
「心配しなくてもタクシー代は私が」
「でも・・・・・」
タクシーと言う事は外に出ると言う事だし、どうしよう
「ささ、行きましょう!丁度タクシーもいますから」
断れない雰囲気だ
もう歩き出してるし困ったけど仕方が無い
「さぁ、どうぞ」
「はい」
この車、タクシーかな?
何だかホテルにいるタクシーとは違うような気がするけど
「あの、やっぱり俺」
「まぁまぁ、すぐですから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
すぐと言う割にはどんどん市街地から離れているような気がする
ホントにレストランなんてあるのかな
しかもドアがロックされてて開かない
すごく嫌な予感がする
「あの、まだですか?」
「もうすぐですよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ここはどこだろう
かなり暗いし車も通らない
黙って外を見ていると、運転手が突然中国語で話し出した
「しかし馬鹿な日本人だな」
「ああ、あのホテルのスイートに入るのを見たから金持ちだぞ」
「どうする」
「もう少し走ったほうがいいだろう」
やっぱり騙された
でも、もう遅い
「あの、何を話しているんですか?」
「ああ、レストランまでの道をね」
「そうですか」
嘘だ
だって明らかに中国語で話しているし、道の事なんて一言も出てこなかった
「俺、やっぱり止めておきます、降ろして下さい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「降ります!降ろして!!」
「うるさいガキだな・・・・・」
「ひっ!」
そうだった
ここは日本じゃないんだ
わき腹に拳銃を突きつけられて思わず体が強張った
「降りろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「さっさとしないか!」
「いっ・・・・・」
さっきまでいい人だと思っていた人の顔は明らかに悪人の顔になっていた
老人だと思って油断していた
「死にたくなかったら金を全部置いて行け」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「早くしろ!死にたいのか」
どうしよう
財布は仕方ないけど、パスポートまで持って来てしまった
「おい、こいついいものを持ってやがるぜ」
そんな事を考えていると、突然内ポケットを探られてパスポートを取られてしまった
「あっ、返して!」
「うるさい!」
「それはダメ!お願い、お金はいいけどそれは」
「大人しくしてろ!」
「うっ!」
思い切り殴られて地面に倒れこんだ
「少し痛めつけて歩けないようにしろ」
「・・・っ!」
こんな所で歩けなくなったら死んでしまう
そんな気がした
とにかく今は逃げる事だけ考えなければ
でも、もし撃たれたら・・・・・・
ううん、そんな事考えてたらまた殴られる
だから必死だった
思い切り拳銃を持った奴に体当たりして必死に走った
「待て!」
「ひっ!」
すぐ横を銃弾がかすった
でも、走るしかない
真っ暗で道すら見えない中を必死に走った
でも、あいつらもしつこい
暗闇に飛び散る火花と銃声
マジで俺、死ぬかも知れないと思ってしまった
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