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感触
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気を失った奴をホテルの裏口まで運んだ
ポケットにホテルのキーが入っていたので連れて来ることは容易かった
ボーイがあいつを見つめるまで車の中で煙草を吸いながら待っていた
さすが一流ホテル
すぐにあいつは発見されて中へ運ばれて行った
「・・・・・・・・・・・あの感触」
初めて会う奴なのに、何故か昔から知っているような感覚
今まで、いろんな奴を抱いて来たが、こんな気持ちは初めてだ
それにあいつ・・・・初めてではない
経験は少ないがあいつは男を知っている
そう感じた
でも、あの表情は初めてのような顔だった
何故だ?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何だこの感じ
初めて会った奴に嫉妬しているのか?
まさかね
もう二度と会う事もないだろう
何だ・・・・?
それが少し寂しいだなんて思っているのか?
あいつは観光客だ
どうせすぐにこの国から消えてしまう人間なんだ
でも・・・・・・
なぜ助けたりしたんだろう
今まで一度もそんな事はしなかったはずなのに
とにかく疲れた
今夜は一人で眠りたい
携帯に入った誘いを全て無視して家に戻った
住んでいる所は古いマンション
仕事は何でも屋
まぁ・・・・そう言えば聞こえはいいが、要するに掃除屋だ
人を殺して生きている、そんなどうしようもない人間
この街にはそんな仕事が腐るほどあった
でも、目立たないように適度に遊んで夜の街に溶け込むようにして生きて来た
「名前・・・・聞きそこなったな」
いつもは名前などどうでもいいが、何故か気になった
実際、俺も本当の名前を知らない
この街に来た時、勝手に誰かがつけた名前が今の俺の名前だった
時にはジミー、時には氷眼、名前なんてどうでもいい
手の平に残っている温もりが消えないうちに今夜は眠ろう
明日もどうせろくでもない日に違いないのだから
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