アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-
すごくいい香りがする
何だろう
まるで家にいるみたいな甘くてとてもいい香り
「んっ・・・・・・」
「よっ!」
「翔?」
驚いた
翔が俺のベッドにもたれかかっていた
「お前、大丈夫か?」
「どうしたの?観光?」
「はい?・・・・あのなー、お前が心配で来たんだよ」
「あっ・・・・ごめんなさい」
「それで、どこか痛い所とかないか?」
「うん、平気」
わざわざ心配して来てくれてたんだ
何だか悪い事をしちゃったな・・・・・
「そうだ!お腹空いてない?空いてるよな?」
「ん・・・・・」
「そうかー、空いてるよな!」
本当は余り食欲はなかった
ショックじゃないと言えば嘘になる
でも、この事は絶対話してはいけない事なんだ
「ストロベリーパンケーキ大量ポイップついでにナッツとチョコクリーム乗せー!」
「うわっ、何それ」
な、なんだろう
パンケーキが埋もれて見えないけど
「食べなさい!」
「あ、あはっ・・・・すごいね」
パンケーキが見えないし、イチゴがすごくたくさん乗ってて生クリームが更に・・・・
「何だよ、仕方ないから食べさせてやる!」
「えっ、いいよ」
「いいから、あーん!」
「もう・・・・あー・・・・・翔?」
「どうした?」
「袖にジャムがついてる」
「おっと、ちょい着替えてくるから待ってて」
「うん」
そう言ってすぐ隣で着替えだした翔を見つめ、考えた
このパンケーキにジャムはついてない
それに赤い色だけど、何となく変・・・・・
「何だよ」
「な、何でもないよ」
「これさ、ジャムじゃないんだ」
「えっ?」
「さっき廊下で転んでさ、その時擦りむいたらしい」
「そうなの大丈夫?」
「平気平気!んな事で心配すんなっ!」
そう言って笑う翔を見て、心が痛んだ
やはり翔だけには言った方が・・・・でも・・・・
「はい、あーん!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「おい!」
「あっ、あーん」
「よしよし」
口に中に入れられたパンケーキはすごく美味しかった
イチゴも甘くて美味しい
「どうした?まだ具合が悪いのか?」
「ううん、平気」
「そか・・・・そうだ!」
「ん?」
「この部屋に露天風呂があるから入ろうよ」
「お風呂?」
「うんうん、夜景を見ながら入るのもいいと思うよ」
「・・・・・・・・・・・うん、でも」
俺、実は見せたくない傷があった
いつついたのかもわからないけど
「嫌か?」
「ううん・・・・いいけどあのね」
「ん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
入ったら話そう
嫌でもすぐ見つかるし
「んじゃ、レッツゴー!」
手を繋がれ、そのまま外にある広い露天風呂に向かった
海外でも露天風呂って言うのかな?
どうでもいいね
「早く脱げ」
「う、うん」
仕方なく服を脱ぎ、後ろを向いた
「あのさ」
「うん」
「この傷・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
背中にはjerkの文字
意味はうすのろ
何でこんな文字が?
最近自分で見つけて驚いた
痣にしてはおかしいし、翔がつけるはずもない
「何かあるのか?」
そう言って笑いながら俺の背中に触れた
「だから・・・・・・」
「変な奴だなー!風邪引くから入ろうぜ」
「・・・・・・・・・・・・・・えっ?」
あ、あれ?
大きな窓ガラスに映った自分の背中を見て驚いた
傷が・・・・・消えてる
嘘っ?だって確かに俺は見たんだ
どうして・・・・?
「はぁ~~~!気持ちいい」
「うん・・・・でもなんかすごい色」
「特製の薬湯だ!さすが漢方の国だな」
「そうなんだ」
すごく・・・・臭いです
「夜景は綺麗だけど、何だがあれだな」
「あれって?」
「ん~、俺は好きじゃないかな」
「そうなんだ」
確かに夜景は綺麗
でも、俺も何となくこの景色は見たくないかも
何でだろうね
その時、隣の部屋から大きな声が聞こえた
喧嘩かな?
「中国語って何だか忙しいよな」
「あはっ」
「どうしたんだろう」
俺にはわかる
すごくくだらない事で喧嘩してるみたい
「なんかね、お風呂が熱いとか言って女の人が怒ってる」
「まじか?お前すごいなー!言葉がわかるのか?」
「おかしいよね・・・・何だか毎日聞いていた言葉のような感じなんだ・・・・ホントに変」
「まっ、それは特技だな!いい事じゃん」
「なのかな・・・・・」
「それでいいだろ?もう考えるな」
「うん」
相変わらず隣では喧嘩の声がする
「うるさいな・・・・・」
「水が出ないとか言ってるけど、壊れてるのかな?」
「水?んなもん出るだろ!」
そう言ったと同時に、今度は悲鳴が聞こえた
めちゃ驚いた
今度は水が噴出して慌ててるみたい
でも、寒いとか言ってやっと部屋の中に入ってくれたらしい
「蛇口が壊れてるのかな?」
「さぁなー」
「ん~~~」
まいっか
静かになったし
何気なく翔の体を見て今度は俺が驚いた
「翔!!何その傷?」
「ん?ああ・・・・」
「ああ・・・じゃないでしょ!もしかして喧嘩とか?」
「いや、屋敷の木に登ったり遅刻しそうな時塀によじ登ったりした時の傷かな」
「えっ・・・」
「近道なんだよ」
「もう・・・・びっくりしたよ」
会社に行くのに木に登って近道って・・・
車があるのに変なの
「そうだ!明日お前の体調がよかったら観光する?」
「でも、仕事が」
「仕事ならもう終わったらしいぞ」
「えっ・・・?」
「和海は違う件で香港に行ったし」
「そうなんだ・・・・うん」
少しは気晴らしになるかな?
でも、和海さんが香港って・・・・忙しい人だな
「そうそう!財布とパスポートは置いて行けよ」
「あはは・・・・うん」
「日本人と言うだけで狙われやすいしね」
「そうなんだ・・・・・・ん?」
「どした?」
「ううん、何か今の言葉をどこかで聞いたような」
「テレビだろ」
「かな」
「ったく!」
「わぷっ!」
お湯を顔に思い切りかけながら笑う翔
「もう!鼻に入って痛いし!」
「おまっ!」
両手でお湯をすくって今度は俺が翔にかけた
「ちょ!!」
「うるさい!」
「もうっ!」
俺達は子供のようにお湯をかけて遊んだ
でも、おかしいな
こう言う事をして遊ぶのは始めてのような気がする
・・・・それも気のせいかな
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 42