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第18章―虚ろな心―13
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「みんなアンタの噂にビビってる。残忍な男だって口々に言ってるぜ。俺も同感だ。アンタは冷酷な女王だ。その凍りの眼差しが堪らねえ。アンタに一層、身も心も蹂躙されてーよ」
そう言って話すと、彼の足先を舌で舐めしゃぶりついた。クロビスはその様子をソファーに座りながらジッと観察した。
「見てるだけで堪らねぇ。アンタは綺麗だ。ホント、ぞくぞくするする程の良い男だ」
ギュータスはそう言って彼の足を無我夢中で、むしゃぶりついてキスをした。犬のような振る舞いに、ククッと笑うと呟いた。
「――犬だな。それも大きな犬だ。そんなに私の足を舐めるのが好きか?」
「ああ、アンタの体を舐め回してやりてぇ」
「フフフッ。じゃあ、舐めてみろ」
クロビスはワインボトルを手にもつと、自分の太股から足にかけてワインを垂らした。白くて綺麗な足に赤いワインが滴りおちるとギュータスは妖艶な雰囲気を漂わせる彼に見とれて生唾を飲んだ。
「さあ、綺麗に舐めろ」
女王の口調で命令されると、彼は犬の様に命令に従った。太股から足の先にかけて犬のように舌で舐めて這いずりまわった。冷酷で美しい彼を前にギュータスは獣のように舐め回した。ワインのほのかな味と、彼の魔性の香りに、恍惚しながら悦んだ。時おり見せる色っぽい表情と吐息に、彼の体は熱く火照った。足を綺麗に舐め終わる頃には、彼の欲情もピークに達した。ギュータスは沸き上がる欲情はグッと堪えた。するとそこに追い討ちをかけるようにワインボトルを自分の首筋に垂らして舐めろと命じた。
「さあ、今度はここを舐めろ。舐めるのが好きなんだろ?」
「っ…!」
「それとも犬が主人に逆らう気か?」
クロビスはそう話すと不敵に笑った。ギュータスは彼に挑発されながらも、首筋から垂れたワインを舐め始めた。彼の首筋をゆっくりと舌で舐めた。滴り落ちるワインの味と香りと、彼の色気に心を誘惑された。白くて綺麗な素肌と、細い首筋がどこか艶かしい。魔性のような妖艶な美しさは彼の心を虜にした。舐めるだけじゃ飽きたらなくなると、不意に首筋にキスをした。そして、開いているYシャツから胸元に手を忍ばせた。するとクロビスは彼の顔をいきなり平手打ちして叩いた。
「何をする…! この汚らわしい犬め…――!」
そう言って再び平手打ちをした。二発平手打ちをされるとそこでギュータスはククッと笑いながら口から流れた血を拭いた。
「なんだよ。お前だってさっきまで楽しんでたじゃねーか?」
「黙れ野良犬! だれが他の所に触れて言いと言った!? この私に気安く触れるなど許されると思っているのか!」
クロビスはそう言って激しく怒りを露にした。ギュータスは、そんな彼を前に本性を剥き出した。
「焦らすのは止めろよ。アンタみたい綺麗な男に、俺が欲情しないとでも思ったか? こっちはアンタに焦らされる度にヤりたくて堪らねえってのによ」
ギュータスはそう言って怪しく迫った。クロビスは迫られると鼻で笑った。
「図体のデカイ癖によく言うな。この私を口説いてるつもりか――? 私がお前みたいな虫けらな無能な男に、靡くと思っているのか? クククッ。とんだ思い違いだな。犬は大人しく主人の言う事を聞いてれば良いんだ。貴様のせいで興醒めだ。退け、邪魔だ。大人しく自分の犬小屋にでも戻ってろ!」
クロビスはそう言い返すとツンとした態度であしらった。ギュータスは舌打ちすると彼の傍から離れた。クロビスはソファーから立ち上がると、長い髪を片手でかきあげながら後ろを向いてため息をついた。彼が後ろを向くとギュータスは背後から押し倒した。
「靡くか靡かねえか、そんなの試してみればわかるだろ?」
そう言って彼を床の上に力ずくで押し倒すとニヤリと笑った。クロビスはその言葉に鼻で笑って見下した。
「――フン。随分と自信家だな。でもその前に後ろをよく見ることだな」
「あっ?」
彼の意味深な言葉にギュータスはそこで後ろを振り返った。すると、いきなり首もとにナイフを突きつけられた。
「悪いがパーティーは終わりだ。クロビスはアンタみたいな奴には靡かねえぜ」
「ケイバー…――!?」
「おっと、無駄に動くなよ。手元が狂ってナイフをプスリと刺しちまうかも知れねぇからな」
ケイバーは背後から彼の首元に鋭いナイフを突きつけると、小バカにした顔で笑った。ギュータスは舌打ちをすると仕方なくそこを退いた。
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