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第6章―竜騎兵―1
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――凍てつく寒さが極寒の大地に吹き荒れた。外の景色は、暗闇へと沈みかけていた。外で捜索にあたっている看守達は、松明を片手に逃げた囚人の捜索にあたっていた。そして、ギュータスとケイバーはクロビスの命令により仕方なく外の捜索にあたることにした。ケイバーは防寒着を着ると、鏡の前で服を整えながら愚痴をこぼした。
「クソッ……なんで俺が! 俺はマジで寒いの苦手なのによ、恨むぜオーチスの野郎!」
ケイバーが鏡の前で愚痴るとギュータスは椅子に座ったまま彼に言い返した。
「ケッ、根性なしのヘタレのもやし野郎が愚痴なんかたれてるんじゃねーよ!」
ギュータスはそう言い返すとブーツの紐をきつく結び直した。
「もやしで悪かったな~デカブツの大将さん。俺はアンタよりかは、デリケートなんだよ」
ケイバーは鏡の前でギュータスに、その事を嫌味ったらしく言い返した。
「てめぇがデリケートだって? ハン! もやし野郎の癖によく言うぜ」
ギュータスはそう言い返すと、ブーツの紐を結び直して椅子から立ち上がった。ケイバーは鏡の前で今度は自分の髪型を綺麗に整えると、両手にワックスをつけて前髪をオールバックに仕上げた。
「品の欠片もないようなデカブツのお前よりかは、俺の方が品があるのは確かだな。みろよこの男前で凛々しい顔立ち。自分で惚れぼれするぜ、自分に向かってキスしたいくらいだ」
ケイバーはそう言うと鏡に映った自分にみとれていた。
「もやし野郎の上にナルシストだったとはな、恐れいったぜ。マジでリスペクトしてやりてーよ」
ギュータスは不意にそのことを言うと、離れた所でケイバーを見て笑った。
「デカブツのアンタに俺様の美貌をおそわけできないのが残念だ。品がなくて、ガサツなあんたは、せいぜい斧を振るくらいだろうけどな。クロビスはな、あーみえてガサツな野郎が一番大嫌いなんだ。主君様に気に入られたかったら少しはその身だしなみを気にしたらどうだ?」
ケイバーはその事を言うとギュータスをチラリとみて鼻で笑った。
「言ってくれるじゃねーか。てめぇの美貌なんざ、クロビスとリオファーレの前じゃ敵わないぜ。美人で良い男は、あいつらみたいなのを言うんだよ。3人一緒に仲良く並んだ所でもお前はあいつらのおまけ付きみたいなもんだ。まあ、お前はあいつらの引き立て役にはなるかもな!」
ギュータスはその事を言うと可笑しそうに笑った。
「なっ、なんだとてめぇ! この俺様があいつらの引き立て役だと……!?」
ケイバーはその言葉に逆上すると、目の前の鏡を拳でおもいっきり割った。
「確かにクロビスには敵わないけどよ。何で俺様が"アイツ"より下なんだよ!? 俺様はアイツより勝ってるはずだ! あんなヤツに俺様の美貌が負けるはずがねー! 今の言葉、訂正しやがれッ!」
ケイバーは怒り狂うと、物凄い剣幕で怒鳴り散らした。
「なんだよリオファーレに嫉妬か? そりゃあ、悪かったな」
ギュータスはそう言い返すと、下を向いてニヤニヤした顔で笑った。
ケイバーは支度を整えると毛皮のフードを被った。
「……まあ、俺達はまともな顔してるけど。本当に酷い顔はヤツだ。あいつの顔を見ていると、なんか哀れに感じるよな?」
ケイバーが不意にそのことを言うとギュータスは頷いた。
「ああ。奴の醜い顔は半端ねぇ、間近で奴の顔をみると鳥肌がたつぜ。あと気味が悪いあの喋り方なんとかならないのか? あいつが仲間じゃなかったら今頃は、ヤツをあの世におくっている所だ」
ギュータスがその事を言うとケイバーは思わず笑った。
「それなら俺も何度か考えた事がある。できたらあの醜い顔を全部剥ぎ取って、違う顔を奴につけてやりたい所だ」
2人はジャントゥーユの事を影で言うと、バカにしながらゲラゲラ笑った。
「神様もおいたがすぎるぜ。なんであんな醜い奴がこの世に生まれて来ちまったのか。どうせ生まれてくるなら、あの醜い顔を綺麗にしてから生まれてこいよ」
ギュータスが何気無くそのことを言うと、ケイバーは近くにあった椅子に腰をかけて話はじめた。
「――お前知らないのか。奴の顔があんな風に醜い原因は、両親に問題があったらしいぜ?」
ケイバーの何気ない話にギュータスは聞き返した。
「問題ってなんだよ……?」
「あいつの両親は近親相姦をしていたんだ。それも頭のイカれた兄貴が知的障害のある実の妹を強姦して出来たって話だぜ」
ケイバーは椅子の上で、怪しくにやつきながらその事を話した。
「マ、マジかよ…――?」
「それも一回だけじゃなく、何度も何度も犯して、できたって話だ。俺も女は犯すが、奴の親父のほうが100倍イカれてるのは確かだ。その上サイコ野郎で、人を300人近く殺しては、森で遺体をバラバラに切り刻んだらしいぜ。その異常性ぶりは凄かったらしく、気に入った部位を遺体から切り取っては瓶に入れて眺めてたんだ。奴はまさにシリアルキラーの血を受け継ぐ、サラブレッドみたいなもんだ。俺は奴がマジで切れた所は見た事がないからなんともいえねーけど、奴がキレたら面白い事がおきそうだな――」
ケイバーはそう言うと、椅子の上で足を組んで鼻で笑った。
「奴のオヤジがサイコだってことは聞いてたけどよ。まさかあいつが近親相姦で生まれた子供だったとはな…――!」
ギュータスは衝撃的な話を彼から聞くと、度肝を抜かれた顔でそのことを口にした。
「で、奴の両親はどうなったんだ? まだ生きてるのか?」
ギュータスは興味津々に聞き返した。すると、ケイバーはあっけなく答えた。
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