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え? どうなんだこの野郎。と言葉の最後に付けながら今度は下から叔父さんを睨みあげる。叔父さんはそれに臆するどころか対抗するように眩しい程の笑みで微笑んだ。
「二度目三度目ならまだしも五度目六度目にもなれば普通は気付くと思うんですけどねぇ。会わせないようにしてるって」
貴方達バカですか、と小馬鹿にする様に目を細める叔父さん。その態度に優馬さんも優馬さんで顔色をひとつも変えない。
「やっぱりそうですか……おかしいと思ってたんだあの貴さんが真面目に大学に通うなんてある筈がないって」
「通っていますよ、ちゃんと。まぁ半ば強制的にではありますがもう少しすれば卒業ですからね。貴文さんも貴文さんなりに頑張ってらっしゃいます。だから出来るだけ余計な惑は排除するのが保護者の勤めというものでしょう」
「余計なモノ? 余計なモノだなんて酷いな。僕達は貴さんの親衛隊ですよ。いわば常に傍に付き従い貴さんの為に命を捨てる覚悟のある……下僕なんです。それを邪魔だなんて……」
とっても心外だな、と言いながら笑みを深くしていく。
一体、何が起きているのか。
綺麗な細笑を携えた男が二人。別にお世辞を言うわけじゃないけど、柔らかく優しく笑い合う二人は女性好きのする整った顔立ちをしていて、例えばここが屋内じゃなく屋外だったらきっと幾人の女性から声がかかるはず。
でもそれは今、この二人の会話を聞かなければの話だけど……。
「大体邪魔なんですよ貴方。いつもいつも僕の貴さんの傍にいておはようだのおやすみだの言ってるんでしょうなんって羨ましい僕の貴さんなのに!」
「だから僕に〝そっちの気〟はありません。何度言わせるんです大概にしなさい」
「じゃあなんでいつもいつも一緒にいるんですか?」
「先代社長に彼の世話を頼まれているからです。料理も出来ない洗濯も出来ない目覚ましで起きる事も出来ないから仕方なく、わかりますか? 仕方なく面倒を見ているだけです。貴方が想像しているようなことは一切ありません」
「じゃあ今日から僕がお世話をしますから美月さんはどうぞどうぞ出ていってください。僕は喜んで貴さんの嫁になれますので」
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