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突然抱き着かれてバランスを崩した貴文さんは「どわっ」と声をあげながら後ろへと倒れ込み尻餅をつく。
一瞬何が起きたのかわからずパチパチと瞬きを繰り返した後、自分の首元にまとわりつく優馬さんに気がつき「ひっ」と目を剥いた。
「ゆっ、ゆっ、ゆゆゆ、優馬!?」
「やっと会えましたね貴さん」
にーっこりと笑って貴さんの頬にすりすりと自分の頬を合わせる優馬さん。てゆうか優馬さん明らかさっきと性格が変わってるんじゃ……。
そう出掛けた言葉をなんとか飲み下しつつ貴文さんを見守る。
「な、なんでお前……って、斗真も!?」
「チーッス、貴先輩」
お久しぶり、と手を挙げる斗真を見て更に大きく目を見開きながら「何やってんだよお前ら」と続ける。
「何って、貴先輩を連れ戻しに来たに決まってんじゃん」
「連れ戻しにって……」
何のことだよと首を傾げる貴文さん。そんな彼の両手を優馬さんがガシッと掴みあげる。
「貴さん。貴方がチームを去ってもう5年経ちます。5年です、5年。わかりますか? 5年経ったんです」
「え? あーもうそんなになるんだっけ?」
「そうです、もうそんなになるんです」
「そっかー。そうだよなぁ、あん時お前らまだ小学生だったもんな。もう高校生だっけ? でかくなったなぁ」
優馬さんの頭をよしよしと撫でながらアハハ〜と笑う貴文さん。それが嬉しいのか優馬さんは半ばへにゃりと表情を壊しながらも「そうじゃなくて」と続ける。
「そろそろチームに戻ってきてくれるんですよね? もう借金返済は終わったってこの間言ってましたよね。だったらもうここに留まる必要ないはずですよね?」
「え!? いやぁ、それは……」
「大体蒸発だかなんだかしらないけど借金こさえた本人がとんづらこいたのにそんなの貴さんが身を粉にして肩代わりする必要なかったんだ。なのに貴さんは親がしでかした事だから無視できないって……いえ、そんな貴方も大好きなんですけどね。でも僕的には暴走烈火の頭の貴さんの方が大好きなんです。言いたい事、わかりますよね?」
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