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《恋人…同士?》3
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部屋へ着くと…
「ゲームでもしてな」
声をかけ、棚を探っているアキラ。
広々として片付いているアキラの部屋、みずきはとりあえずTVゲームの前に座り待っている。
「あった、これだな、病気の資料集めたファイル」
アキラはひとつのファイルを取り出し、みずきへ渡す。
「それ、小3の時に集めたんだ。その頃はっきり自分の病気のこと知ってさ、今はあまり見ないけどな…」
ベッドサイドへ座りながら説明する。
「……」
開いてみるとコピーした文字が目に入るみずき。
「この家2Fが全部書庫になってて、そこから集めた。やっぱ稀な病気だからあまりなかったけど、麻ヒとか発作の処置なんかまとめてるはず…」
軽く言うアキラ。
みずきはアキラの言葉を聞きながらファイルに目を通す。
「ま、自分の事だからな、自分で処置が解るようにな…」
難しい字が並んでいるが、真剣に見ているみずき。
(…どんな思いでこの資料を集めたのだろう…)
そう思うと胸が苦しくなるみずき。
紙の端に、ペンで走り書きされた言葉に涙が出そうになる。
――最後の最後まで生きてやる!――
今のアキラの字とは程遠い字だけれど、小3のアキラが思った気持ちが痛いほど伝わってきた。
「も、いいか?片付けて?」
みずきに近づき聞く。
みずきはアキラの隣に座りながら。
「これを、俺に、2、3日貸してくれないか?」
静かに聞く。
「えッ?…どうしょうかな、なんかイロイロ書きこんだような覚えが…見られるのハズかしいな、字ヘタだし…」
「アキラの事なら知っておきたいんだ」
真剣に頼むみずきを見て…
「ま、イイか、ちゃんと返せよ」
頷いて微笑み言うアキラ。
「あぁ、わかっている」
みずきもつられて笑う。
「みずき、お前もう寝ろよ、寝不足の顔してるぞ…」
すっと立ち上がりみずきを見下ろして言うアキラ。
「アキラが心配で眠れない…」
みずきは言うが…
「オレも寝るから…」
そう答えて棚から液体状の薬を出しているアキラ。
冷蔵庫から、水を取り出し、一口量に混ぜてコップに入れている。
「なんだ?薬か?」
ベッドサイドに座ったまま聞くみずきに…
「そう、眠薬…」
なにげに答えながら薬を持ってみずきに近づくアキラ。
「お前もいる?」
「いや、いらない」
「ふーん、どうして?」
薬を口へと運びながら聞くアキラ。
「俺は…!!…ッ」
答えようとした、みずきの口にディープキスするように、アキラの口から眠薬を流しこみ、無理矢理薬を飲ませる。
口うつしで…。
「なッ…!何をッ…!?」
唐突だったので薬を思わず飲み込んでしまったみずき。
かなり驚いて立ち上がりアキラを見る。
「飲んだ?即効性の薬だからすぐ効くぜ、オレのせいで身体壊して欲しくねーからな、ゆっくり寝てろよ」
「そんな事…」
言いかえそうとしたみずきだが、すぐに目が、かすみ眠気が襲ってくる。
つい、アキラの肩に手をかけてしまい、急に体重がかかってアキラともどもベッドへ崩れ落ちる。
そっと、みずきがなんとか開けているまぶたを静かにおろし、やさしく…
「おやすみ」
そう、囁くアキラ。
その言葉を最後に、深い眠りへと入っていくみずき。
「悪ィな…オレ今日はもう薬飲めなかったんだ」
(これで朝まで、寝てくれるはず)
アキラはみずきを見ながら言い…
起き上がると、少しクラっとめまいがする。
「ヤベっ、オレも少し入ったかな薬…」
いったんベッドに座りながら…
「じゃ、オレも寝よ」
軽く言い、ベッドに寝転ぶみずきを奥へと押す。
これだけの作業でも、息が切れるアキラ。
ベッドの棚を確認して…
「はぁ、えっと…水とO2(酸素器)それから、薬は置いて…いや、やめとこう。置いてあったら絶対飲んでしまいそうだからな…」
そう言うとアキラは、ケースに入った薬をポイッと机の棚まで投げる。
(さすがに恐えーな…発作…)
できればもう起こらないで欲しい。
薬に別れを言ってベッドへもぐる。
不安存在を消すようにみずきに、寄り添い…軽く眠りに入るアキラ。
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