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エピローグ
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エピローグ
あの出来事がとくに大きな変化をもたらすことはなかった。私にも彼にも。私と彼は未だ主人と家令という関係である。
ただ三つほど変わったことがある。
一つに、数少ない友人たちが妙に私と距離を取り始めた事だった。首を傾げていると、友人たちを見て彼は普段は見せないような得意げな顔で笑っている。
どうやら彼の仕業らしい。縁談が山のように来てうんざりしていると私に告げた友人の顔は私の後ろにいるらしい彼を見て、引き攣っていた。あの家令はおっかない、とぼそりと告げられて思わず苦笑してしまった。
なるほど、縁談がぱったりと来なくなったのも彼のせいだったか。
二つ目に、私の部屋の花瓶に活けられる花があからさまに好意を表すような花言葉を持つものに変わった事だった。これに関してはほかの使用人たちは気づいていないようだった。随分彼の選ぶ花が華やかになったことに驚いていたくらいか。ばれなくてよかったと思う反面、言葉遊びができるような高尚な人間がうちの使用人に彼しかいないことが少し残念ではある。
そして三つ目に、彼は夜、使用人を誰一人連れず私の部屋に来るようになった。連日の時もあるし、何週間もない時もある。その時だけは、私は彼に遠慮しないようになった。仮面を脱ぎ捨てて、ありのままの自分で彼と向き合うようになった。
私と彼はずっとこの関係であり続けるだろう。よき部下として、愛しい人として、彼は私を支えてくれるのだから。
この後どうなったか、それは皆の想像に任せたいと思う。
PerSona 了
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