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熱中症と 3
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しんと静まり返った部屋はなんだか先程とは別の場所の様に感じた
「ったく。…気分悪くないか?」
なんでこんなにも別人の様に優しいのか、目の前にいる彼に馨は不信感を感じつつも受け答えに応じる
「なら良い…もう少し横になってろよ」
ここで逆らっても良いことはないので馨は黙って従い布団の中へと戻り鷹司の方を向く
「あの…」
「なんだ?」
「えっと、ありがとう…ございます」
礼を言うと鷹司はまた先程のような優しい笑みを向け、そばの椅子に腰掛けくしゃりと馨の頭を撫でた
まただ。またその顔…
馨は大きく心臓が脈打ち始めるのを感じた
「先生としての役目をしたまでだ。気にするな」
「はい…」
ドクドクと全身が脈打ち、全身心臓になってしまったのではないかと考えながら馨は目をキツく閉じる
「……なぁ。」
少しの沈黙の後、鷹司が馨に向かって声をかけた
「俺の事まだ怖いか?」
鷹司の問いに馨は彼の方を向きわからないとだけ答える
「わからない…か」
その横顔が少しだけ寂しそうで、もどかしそうだった
腰掛けていた椅子から立ち上がり小さく伸びをすると鷹司は馨に伝える
「お前が俺の事で怯えたりしなくなるまで気長に待つよ。あと猶予は半年以上はあるんだからな」
それだけ言うと鷹司はカーテンの向こう側へと行ってしまった
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