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修学旅行3
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「……最悪」
席へと着き授業が開始されるや否や馨はこの世の終わりと思う程深刻な顔で目の前の教師を見た
「最悪とは失礼だな。お前の担当は残念な事に俺だ」
まさかの学年で旅行に行っていないのは馨のただ1人だけでしかもそれを担当するのが鷹司なのであった
「運命だと思って受け入れろ。プリントやって午前で帰るだけだ」
そう言って鷹司は他教科の作られたプリントを馨の机に置き自分は空いた席へと座る
(なんでこれだけ席が空いてるのに隣に座るんだ…)
よからぬ事ばかりが頭を占領し都合の良いように解釈をしそうになるから本当にやめてほしい
冷房の入っている教室のはずなのに身体が熱くて堪らない
目の前のプリントに集中しようと向き合うが問題が右から左に流れていってしまう
(さっきの朝の言葉が忘れられなくて…どうしよ、来そう。1週間先生と一緒…発情期きたらずっとあの状態。気持ちよくなりたぃ…頭クラクラする。問題、解かなきゃ…先生の匂いがする…あぁ、もうやだ)
そんな様子を頬杖をつきながら眺めていた鷹司だったが不意に椅子を引き馨の机の横にピッタリと着けるとプリントを覗き込んだ
「なんだ、分からないとこでもあるの…か?」
「〜〜〜〜ッッ!?!?」
鷹司が馨の耳元で口を開いた途端、横に居る馨の身体が前のめりになりそのまま大きく痙攣すると辺りに甘ったるすぎる芳醇な香りが漂いだす
急な出来事に驚く鷹司だったがすぐに匂いに充てられる
(まさか、こいつ発情期が…)
急いで馨の身体を起こすと彼の顔はだらしなく蕩けており、此方を誘う様に見つめてきた
「せんせ、俺…ッぁ…どうしよう…せんせいの声で、イっちゃた…」
シャツをシワが出来そうなほどキツく掴まれ逃げ場をなくす鷹司は目の前で見上げながら誘う馨に理性の箍が外れる寸前までいきそうになる
「なっ!?お前…薬どこだッ……ぉい!触るな」
普段なら本人から薬を探し服用しようとするのに今回に限っては何かが違うのか鷹司の全てを欲しているかのようにシャツから手を離すとそのまま彼の太腿に手を滑らせてきた
「…薬、飲まなきゃ?…せんせいとしたぃ。気持ちよくなりた…い、んッ」
「くそッ……」
正常な判断が鈍りだす鷹司は馨の手から離れようと席を立つと乱暴に生徒の鞄を漁り抑制剤を取り出す。そしてそれを馨にではなく自分にまず服用した
(このままだとまずい…ッあー、持ってかれる!)
目の前の据え膳を見ては意思が揺らいでしまいそうになる。この前のような反応をされては今度こそ番である馨に幻滅されてしまう
そう思った鷹司は唇を強く噛み締めると歯を食い縛り自分で自分の顔を殴った
「へ……?」
ゴッ!!と鈍い音が教室に鳴り響くと自身を殴った鷹司はゆっくりと大きな息を吐き、無理やり馨の口に薬を放り込み飲み込ませる
虚ろな瞳で彼の姿を見ると整った顔の片頬がじんわりと赤く腫れており、その鼻からは血が滴りだしていた
鷹司の姿を見た馨は正気を取り戻したのか自分の行いを思い出し突き放すと謝罪を口にした
「俺!…ぁ、先生…ごめん、なさい」
だが鷹司は何も言わずに頷き馨の頭に手を置きゆっくりと撫で安心させる。大丈夫だと口では言わないが態度で示してくれ馨は何度も謝り容態を心配した
「先生、血が…本当に。ごめんなさ」
「もう謝るな。本当に大丈夫だから。…お前こそ身体辛くないか」
滴る鼻血を持っていたハンカチで拭うと自分のことよりも馨を心配する鷹司
(なんで、俺の心配なんか…)
馨は大丈夫だと伝えると安心したのか鷹司がその場にしゃがみ込み今更痛みを訴えだす。思ったよりも強い力で殴ってしまったらしい
「先生ちょっと保健室で冷やすもん持ってくるからお前もそのズボンなんとかしとけよ」
そう言われて今更自分の下着が気持ち悪い状態であることを感じる馨は頷き鷹司を見送った
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