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女子…
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今日の仕事が終わり、いつもならサッサと帰っているが今日は約束がある。
落としてしまった書類を拾ってくれたばかりか、それを代わりに運んでくれた優しい人。
お礼にと、今夜空けておくように言われた。
元々用事なんてなかったからいいのだが。
…早乙女 志龍…
早乙女 志龍…
…ジヨン…
「ッ!!…ジヨンっ!!」
「なぁ〜に?…てかやっと思い出した?」
「どぅわぁああっ!?!!」
いきなり背後からヌッと声がしたので振り返ると、本人の名前を大声で呼んでしまった手前、必要以上に驚いてしまった。
「….て、やっと思い出したって?」
「俺は書類拾ってる時に気がついたけどな」
「なっ、…」
なら何故早く言わないのか…。
『早乙女 志龍』
なんで忘れてたんだろう。
…俺の初恋っ!
小学校5年生で俺はイジメの対象となってしまった。
多分理由は『弥千代』って名前が女っぽいことと、生まれつき華奢なこの身体のせいだろうか。
最初は単純に「女みてぇーな名前っ!」
って笑われてるだけだった。
内向的な俺は何も言い返せなかった。
段々エスカレートしていって、本当は女なんじゃないか、ってバカみたいな理由で服を脱がされたこともあった。
酷いと女子トイレに筆箱を投げられ、取りに行ってこい。って。
頼める人もいない俺は仕方なく入ると、余計にからかわれ、イジメの材料にされた。
「ぎゃはははっ!」
「こいつマジで入ったぜ?!本当に女じゃねーのーー?!」
「………ッ。」
そんな時、クラスの違う男の子が見兼ねてイジメっ子達の脳天にゲンコツをくらわせた。
「ってぇーな!」
「なにすんだよ!ハーフ!」
「何してんだ、はこっちのセリフ。それにハーフだから何?悪いことしてんのはお前らだろうっ」
「….なんだとっ?!」
イジメっ子の大将がその子に掴みかかると、周りに女子が群がってきた。
「ちょっとぉ!止めなよ、男子ぃ!」
「そうよ!ジヨン様に傷がついたら責任取れんのぉ?!」
(…ジヨン様…??)
群がってきた女子がいじめっ子達に猛攻撃。
仁王立ちで腰に手を当てて見下す様はまるで女王のよう…
「なッ……さよちゃーん…」
「キモッ。…ちょっとやめてよね。
『ちゃん』付けするの。」
「ぬわぁぁ……!!!」
大将は頭を抱えて崩れた。
(『さよちゃん』強ぇ…。
というより、こういう年は女子の方が強いよな。…ともかく助かった。)
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