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オレは西浜のペット24(ラスト)
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目が覚めた
遠くからトントントンと規則正しいリズムが聴こえてくる
そっと目を開けてみた
そこに広がっていたのは オレの部屋ではない部屋の天井だった
どこだ?ここ…
ぼんやりと天井を見つめていると、自分が裸なことに気づいた
そして、昨日のことも全て思い出した
おおおおオレ、西浜と…や、ヤったん…だよな……
夢?夢か?被害妄想か?
不意に音が足音に変わり、部屋のドアが開いた
「柴崎君?早く 起きないと遅刻しますよ」
「……にしはま…?」
いつものブレザーにいつものメガネ、いつもの口調の西浜がいた
いつもと違うのはそこにエプロンを着けていたぐらいだった
だよな、やっぱ夢だ
妄想だ、妄想…
布団で身体をさりげなく隠しつつ起き上がる
腰と尻に鈍痛が走った
「い、いてててっ…」
「…痛みますか。あんなに優しくしたのに」
「な、…」
言葉を失う
やっぱりヤったんじゃん…オレ…‼︎
「学校、どうします?行けそうですか?」
「…く……、行く…」
今、オレは密かに 出席日数を気にしている
西浜と一緒に卒業したいからだ
「う、…」
立ち上がると ミシミシと腰が音を立てるように痛む
ふと思い出して首元を触ると 首輪はなかった
ちょっと残念……
じゃねえよ。
思ってねえからな‼︎
テーブルには朝食が並んでいて、隅に弁当が2つ置いてあった
もしかして、作ってくれてたのか?
だからさっき、野菜を切る音がしてたんだな
優しい…な
そうだよ、西浜は元はこういう奴だったじゃん
改心したオレにそれまでのノート貸してくれたり、知らない奴の問題行動の濡れ衣晴らしてくれたりさ
昨日のはきっと幻覚だ
西浜はオレを犬扱いしない、オレのトイレについてこない、オレの尻掘ったりしない…
チラッと西浜を見上げると、彼はメガネを拭いていた
目が合うと、ニヤリと笑う
「どうしたの…?コウ」
ヤバい、こいつメガネ外すと人格変わり過ぎだろ‼︎
ビクビクしてたら西浜が優しい言葉をかけてきた
「コウ、ちゃんと全部食べるんだよ、それで一緒に学校行こうね」
「お、おう…」
な、なんだよ…
恋人同士って感じじゃん…
ちょっと嬉しくなくもない…な…
「やっぱ、優しい…な…」
「そりゃそうだよ、だってコウはこれから俺のーーーー…」
お、お?
これって言われちゃう系パターンじゃね?
こいび「大事なペットなんだから」
とって…
へ?
「ね…?コウ、大事に飼ってあげるからね…」
な、ななな何か違う‼︎
ちょっと違う‼︎
いや、かなり違う‼︎
「ふふ…」
西浜がオレの顎を撫でる
思わずビクついた
そんなオレを見て西浜はクスリと笑い、無造作に メガネをかけた
「恋人は、コウの頑張りに寄ります。
それまでは僕の可愛い犬として
・・・・・
付き合ってあげますよ♪」
そう言って上機嫌で オレの頭を撫でてから、西浜は部屋を出て行き際に 合鍵を投げて寄越した
咄嗟に受け取り、撫でられた場所に手を当てながらオレは確信した
"どうやらオレは、とんでもないやつを好きになってしまったようだ"と。
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