アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
オレは西浜のペットII-10
-
「随分と久しいじゃねぇか、ザッコ」
3人のうち、真ん中に立った長身の男が半笑いで近づいてくる
言うまでもなく先程の電話の主、向井だ
「えっ…と…うん、ほんと久しぶり…だよな…
最近、会わなかった…し…」
予想外のことに思わずしどろもどろになってしまう
「"会わなかった"、ねェ…くく…」
向井が唇の片端だけを吊り上げて 目を細めた
まずい
これは、怒っているときの表情だ
「そんなことより、これからどっか行くのか?ザッコ」
「…まぁ、ちょっとそこまで」
「ふぅ〜ん…?」
向井が妙な笑顔のままこちらに詰め寄ってくる
オレはちょっと後ずさる
ちなみにザッコっていうのはオレのアダ名だ
柴崎コウ、崎コウ、ザキコ、ザッコ
というポ◯モン的(?)進化を遂げた
「最近、ザッコ俺等と遊んでくんねーよなァ…?」
びく、と身体が勝手に震えた
今浮かべられている向井の笑顔が、今まで見てきた向井の中で一番怖く感じた
ビビってるオレを見てか、向井を挟む2人もギャハハと嫌な笑い声を上げた
でも、今のオレには そんな恐怖よりも何よりも、焦りが大きく支配していた
チラリと腕時計をチェックする
ああ、西浜との待ち合わせに遅れてしまいそうだ
「あー…オレ、最近料理にハマってさ…
買いモンとかちょくちょく行って疲れんだよな…、
今も、もーすぐタイムバーゲンなんだよ
行ってくる!遊びはまた今度な!」
「あ、おいザッコ!」
「いい、行かせろ」
「でも、向井さん…!」
テキトーに言い訳を付けて 走り去る間際、向井の低い声が聴こえた気がした
「今度、"遊"べばイイ
……そのときは、たっぷり相手してやろうじゃねェか」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 68