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彼は静かな殺意を胸に秘めると銃口をローゼフに向けて狙いを定めた。
「何を言っているオーランド……!? 私はアーバンからこの子を譲り受けたのだ! 私がこの手で彼を誕生させた! だからこの子は私のドールだ!」
彼がそう言い返すと、オーランドは可笑しそうに肩をすくめて笑った。
「きみは本当に愚かだな。アーバンから人形を譲り受けただと? フフフッ、なら本当のことを教えよう」
オーランドは薄笑いを浮かべながら、ローゼフの前で真実を語った。
「これは最初から仕組まれていたのだよ。きみが愛玩ドールを手に入れたのも偶然じゃない。私がアーバンから、愛玩ドールを手に入れた時点でその子は私の人形だった。しかし、愛玩ドールはそうそうに見れる物ではない。ましてや幻の人形と呼ばれていたものだ。だから私はその確証が欲しかった。その子が愛玩ドールである証拠をな――!」
彼がそう言って話すと、ピノはローゼフの腕の中で酷く怯えた。
「なら、そんなに欲しかったら貴様が自分の手で確かめれば良かったんだ!」
「うるさい黙れっ!!」
オーランドはカッとなると銃を撃った。弾丸はローゼフの頬を切りつけるようにかすめた。頬からは赤い血が流れた。
「ローゼフ……!? ローゼフ血が…――!」
「っ……! 私は大丈夫だ……!」
彼に向かって銃を撃つと怒りに震えた。そして、真実を語った。
「何も知らない無知なお前に教えてやる! 愛玩ドールは一度しか誕生させれないのだ……! 失敗すれば次に魂の儀式が出来るのは100年後になる! いくら私でも、そんなには長くは生きてはいけまいさ! それに確めるだけで気にくわないドールが出来てしまえば意味がない! 私はな、自分が描く完璧なドールが欲しいだけなんだよ……! 私だけを心から愛し、私だけに話しかけ、私だけを見つめる、私だけの愛玩ドールだ!」
彼が事実を話すとローゼフは激しい怒りに内震えた。
「なんて人だ…――! 貴方という人は最低だ! そんな事のために私を利用したと言うのか……!?」
「フン、なんとでも言うが言い小僧! 私は愛玩ドールを手にいれる為なら、悪魔にこの魂を売っても惜しくなどはない!」
オーランドは彼にそう話すと本性を剥き出した。
「お前に私の何がわかる? 私は人形偏愛者として長年ずっと生きてきた。お前にその苦しみや辛さがわかるか? 周囲からは私は変わり者扱いされて、蔑まされてきた。それがどんなに屈辱的な事か貴様にはわからんだろうなローゼフ!」
彼は激しい怒りを燃やしながら、自身の辛い過去を打ち明けた。
「愚かな貴様は私が仕組んだ筋書にまんまと踊らされたのさ! 奴から人形を受け取り、お前はその子を誕生させた! そして何も知らずにその子を愛し、今ではその子が自分の物だと勘違いしている! これ以上、滑稽なことはない!」
オーランドはそう言って話すと、可笑しそうに高笑いした。2人は彼の狂気を目の前に衝撃を受けて戸惑った。
「お前にとっては不利益だが、私にとっては大成果だった。なにも知らないお前がその子を誕生させたことによって、その子が正真正銘の愛玩ドールであることがわかったからな。きみが舞踏会でその子を見せてくれた時は正直驚いたよ。私も愛玩ドールは初めてみるからな――」
ローゼフはオーランドの話を聞くと、その場から質問した。
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