アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
「やめろ! お前は狂ってる! お前みたいな卑劣な奴は愛玩ドールのマスターになる資格はない!」
「フン、生意気な奴だ! なら貴様が死ぬか!?」
オーランドがローゼフに銃口を向けて狙いを定めると、アーバンが物陰から現れた。
「いけませんオーランド公爵! 彼を殺しては誓約が解除されません!」
アーバンがノコノコ現れると、ローゼフはカッとなって怒鳴った。
「アーバンよくも私を裏切ったな……! 最初から仕組まれていたのを知っていて、私にその子を誕生させたのか……!?」
彼がその事を尋ねるとアーバンは素の顔で答えた。
「ええ、そうですよローゼフ様。私も彼と同じく確証が欲しかったのです。誰だって真実かを確かめたかったら、その確証がほしと思いませんか?」
「何……!?」
「かの英雄のジャンヌダルグでさえ、本当に処女かを確かめられたんですよ? 人間とはそう言う生き物なんです。だから貴方が愛玩ドールを誕生させた時は、私は死ぬほど驚きました。たしかに貴方様を利用したのは悪いと思っています。しかし、そうしなければならなかった事実にはかわりません。それにその子は彼の愛玩ドールです。ローゼフ様はオーランド公爵に、その子を返さなくてはならないのです――」
「貴様、よくも今までぬけぬけと……! この恥知らずが…――!」
ローゼフは激しい怒りに燃え上がった。
「何故わたしだったのだ……! 最初から奪う気だったら何故その子を私に与えた!?」
彼が質問するとアーバンはあっさりと答えた。
「いいでしょう、答えてあげます。そんな理由など簡単なことです。貴方が1人で寂しそうにしていたから、私は貴方に玩具を与えてあげただけです」
「何……!?」
「それに十分、人形遊びは楽しんだでしょ? オーランド様の言う通り、貴方は長年の孤独から立ち直った。それでいいじゃないですか? 一体、何がまだ不満なんですか? さあ、その剣でピノを殺して契約を解除するのです――」
彼がそう話すとローゼフは頭の中がカッとなった。
「貴様まで狂ったかアーバン!!」
ローゼフは彼から衝撃な話を聞かされると、怒りで拳が震えた。そして、激しい感情を胸の奥でたぎらせた。
「どうやらわからないようなので、私からも貴方様に説明してあげましょう。愛玩ドールはその者が誕生させた瞬間からマスターとなる権利があるのです。当然、自分がその子の生みの親になるのですから何をされても人形は、マスターを受け入れなくてはならないのです。それが愛でも愛じゃなくてもね…――」
彼はそう話すとローゼフのもとに近づいた。アーバンは彼に近づくと、ニコリと笑いながら優雅な素振りで話しかけた。
「誕生させた時点で貴方は愛玩ドールと誓約を交わしたようなものです。一度交わされた誓約は、そのマスターが死に至るまで永遠に交わされます。まさに永遠の愛とも言えるでしょう。実に美しい話だとは思いませんか?」
ローゼフはその話を聞くと大きな衝撃を受けた。
「何……!?」
「そしてマスターが死んで初めてドールは、長い呪縛から解放されるのです。しかし、いくら愛玩ドールと言えでも中には自分が気に入らなかったり、愛が覚める者もいるかも知れません。だから愛玩ドールと誓約を解除したい者は、あることをするのです。それが魂の慰めの儀式とよばれる。通称、ドール殺しの儀式でございます」
アーバンは彼にその事を話すと優雅にお辞儀した。ローゼフは衝撃的な話を聞かされると、その場で激しく動揺した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
86 / 102