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羊との出会い
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「兄ちゃんのバカ…」
あの後も結局俺は兄ちゃんを忘れられないまま過ごしている。
「そもそも…あいつさえ居なければ…」
なんて夜の町でフラフラしてると
「なんでっ!?どうして別れるなんて!!」
なんていう女の人の声でビくっと立ち止まる。
ふと声のした方の路地裏を見ると女性が一人の着物を羽織った男の人に問いつめていた。
うっわ、女ってこわっ
それでも今日の俺はそれを無視できなかった
「あんたとは最初から遊びやし、あんたかてほしてええと言うて僕と付き合っとったやろう?」
うわっ関西弁
「でもっ!!楓さん!!うち、好きになっちゃったんだもの!!」
それに冷たく
「そうどっか、僕は好きおへんさかいほなさいなら」
それに女の人は泣きながら俺の前を通って行ってしまった。
「あんた、随分と最低だな」
声をかけると俺より小さなその身体がゆっくりと俺の方へと振り返る。
その顔に一瞬固まる。
「女?」
「失礼なガキやな。れっきとした男だ。」
その顔は凄く綺麗だった。
「それより最低とはどないなことや」
それにハッとする。
「だって最低だろ?女の人のフリ方が」
そう言うと少し黙りいきなり笑い出す。
「なん?もしかして最近フられたん?」
それにポロポロと涙が出てくる。
それに流石に慌てだす。
「なん!?マジやったん!?そない泣かんといてやっ!!」
泣き続ける俺を必死にあやす最低な男。
それが俺と嘘つき羊の出会いだった。
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