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好き。
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チュンチュンッ
鳥の囀りで朝目が覚める。
カーテンの隙間からは、朝の日が差す。
目を覚ますのに、洗面台に…。
「うわぁ!」
洗面台にダッシュ!!
「そうだ…俺、もうあいつと…。」
もうあの時点で目覚めたよね、うん。
部屋に戻って、制服を着る。
前に、起きてないか確認。よし、OK。
Yシャツのボタンを上まで締めて、ネクタイを結び。ズボンを履いてベルトをしてソックスを履く。
そして、髪の毛をとかして全部を隠す。そして、メガネ装着。そして、逃げる!!
と、その前に
目立つとかそんなのは好まない。
だっておれ?
「平凡上等。」
「ぷはっ」
へ?
「なに?平凡上等って。平凡好きなの?そんな、変装の裏に別人隠し持って?はは」
「なっ!」
かぁっと顔が熱をもちはじめる。
「いいよいいよ。隠さなくて、目つけられたら俺が守るし?」
と、すごい笑いながら言う春樹。
くっそ、腹立つなこいつ。
大事なとこ使えねぇようにすんぞこら。
「こ、これは、俺の趣味だ。」
「じゃあ、これは?」
そう言って、春樹が俺の首の傷跡を舐めた。
「首に傷跡も趣味なわけ?」
「…趣味っていうか…証?」
「証?」
これは、あいつが居たって証なんだよ。
「尚?」
「…ごめん。今はまだ無理。」
あまりにも深すぎる傷なんだ。
会ったばっかのお前にはまだ話せない。
「そっか。うんうん、わかった。」
「…うん、ありがと。」
「でも、証なんだったらこんな変装はおしまい!証なんだったら見せびらかせよ。それに、自分の趣味だって隠さなくていいでしょ?」
「うん。ありがとっ」
あまりにも、暖かい言葉に俺は春樹に抱きしめられながら泣いた。俺は、優しくされたかったんだ。
ガヤガヤ
「あ!尚ぉ~♪おはよぉ」
...
よし、スルーしよー。
「え。尚ぉ~。無視なのぉ(泣。」
そうやって、いつも挨拶してくる建斗。
「ちょ、けんちゃん。やめや。なっちゃん困っとるやろ」
そういつも止めに入ってくれるのは龍。
「無視なんかしないよ、俺といつも一緒に居てくれてありがとな。」
『え?』
声を揃えて驚く2人。
「なんか、急に言いたくなった。」
俺は、照れ隠しに笑った。うまく笑えてるかな?
「なーおー、俺もありがとぉ。うわぁーんっ」
建斗は、ありがとうと何回もつぶやいて俺に抱きついて泣いてた。
「なんや、そんなん俺もやん。いつもありがとなぁ」
そう言って、俺の頭を撫でて微笑んでくれる龍。
「尚は、一人じゃないからな」
なんか、春樹に全部見抜かれてるみたいで泣きそうになった。
建斗達と別れて、うるさい教室の人ごみが勝手に道を開いてくれて自分の席に座る。あぁ、なんていい日なんだ。誰も俺に見向きもしない。これこそが、幸せ!
「ん?なんか、おかしい。」
「ん?どーしたの?尚」
「なんか、いつもと俺の扱いが違う。」
いつもは、道を掻き分けて…。
「なぁ?あそこ、あの地味なやつの席だよな?なんであそこに、蒼石(そうせき)がいんだよ」
「あー。朝からあの人見るとか、今日彼女といー感じだわ。まじ、ありがとう」
なんですか、最後の人の言葉。糞だな
「あ、そっかそんなんまだ残ってたんだ。」
「え?なになに??」
「なんか、俺の目が蒼翠(そうすい)色で綺麗だからって。蒼い宝石みたいで蒼石だって。蒼翠なら翠(みどり)は、どーなったんだよってな。」
「えー。俺以外に知ってる人、もーいっぱいいるってこと?」
「まぁな」
「えー。
…あ、でもいっか。尚俺のだし」
と、わざとらしく音を立ててキスしてくる。
「ばーか」
「ちょ、俺写真撮ってもらおうかな」
「は?お前やめろって。あんなすごい綺麗な人と一緒にとかお前恥ずかしすぎでしょ!!」
「ぷっ。なになに、あんた達の話してる内容!おもしろいね!!」
「あ、昨日の春樹さんですよね?すんません、写真撮ってもらおうとか調子こいてました。」
「はは。なにそれ!ちょー、最高!」
「え」
「ちょ、春樹やめろよ。あの人困ってんだろ!」
べしっ
「はは。以外といてぇ!」
と、叩かれても笑ってる春樹。
なにこいつ、昨日より楽しそうじゃん。
「...。」
いつのまにか、周りに人が集まってきてて。
みんな、笑う春樹を見て固まってた。うん
「ふ、ははっ」
なんか、その空間があの時みたいで面白くて俺も釣られて笑った。
「なんだ、尚も笑えんじゃん?」
「う、うるさい」
「ほら、みんな見てるのに顔赤いよー?」
「ぅ、うるさい!!」
「いたたたたっ」
ほっぺをつねってやったぜ。
「蒼石さんちょーかわいいっ」
「笑ってたよ?お前、ムービーとった?写真撮った?」
「撮った撮った!!そく、ブログいき!!!」
「俺も俺も!何年ぶりの蒼石さんが戻ってきた!」
「めっちゃ、写真撮っとこ!」
「俺も俺も!!」
カシャカシャッ
…。
「わーお。尚すごい人気」
「てか、尚ってあの地味なやつ?」
「え?蒼石さんが??」
「じゃねじゃね??」
「やべー!!!」
…。
「…てめぇら」
『あ?』
「うっせぇんだよ」
『すみませんでした!』
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