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恋1 ~sideまさと~
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おれは、恋をした。
すぐに、相手には恋人がいると知ったが、それでもその気持ちを忘れ去ることができないくらいの、恋だった。
出会ったのは、もう5年以上も前のことだろうか。
おれは、専門学校を卒業後、自分の夢のために金を貯めていて、いくつもバイトを掛け持ちしていた。
そのバイト先に現れたのが、亮だった。一目惚れだった。
おれの性癖をたまたま知っていた店長に、面倒ごとは困るから同僚には手を出すなと、釘をさされていたが、そんな釘、目に入らないくらい、惚れた。
それでも、会話の中で、恋人の話が出て、その時に亮が余りにもいい顔をするのを見たら、とてもじゃないが口説くことすらできなかった。
おれの気持ちが変わり始めたのは、それから数ヵ月がたった頃だったろうか。
夜勤の警備員のバイト帰り、見たことのある後ろ姿を見かけ、思わず声をかけてしまった。
「亮、どーしたよ?こんなとこで」
振り向いた彼は、今にも消えてしまいそうなほど儚げで、その顔は哀しみに歪んで青ざめていたが、いつもより更に綺麗だった。
一目で何かあったのだと悟る。
亮をなんとか言いくるめ半ば強引に、おれの一人暮らしをしているアパートへ連れ込んだ。
昨夜寝ていないと言う亮をまた強引に、布団に寝かせて、自分は夜勤の汗を流すため、シャワーを浴びた。
この壁の向こうで、亮が寝ていると思うだけで、おれのチンコは熱くなり、亮をオカズに何度もヌいた。
亮を汚しているようで、その背徳感にも更に昂った。
精液を出しきって、ようやく治まった欲望。どれだけ、シャワーを浴びたのか、指先はふやけきっていた。
おれもまだまだ若いなーなんて、思いながら風呂から出ていく。
そして、亮の寝顔を見た瞬間に、頭が真っ白になった。
眠気なんて吹っ飛んでいく。
亮は寝ながら、泣いていた。
何をそんなに苦しんでるんだよ。
誰がお前をそんなに泣かせてるんだ。
その後、目を覚ました亮になんと声をかけたらいいのかわからず、怯えた顔でおれを見る亮に、自分の下心がバレたかと慌てて目をそらす。
タオルを差し出せば、自分が泣いていることにも気がついていないようで、ついゴシゴシ力加減も考えずに、涙を拭ってしまった。
こんな時に、さらっと慰める言葉が出てこない自分に腹が立った。
こんなことなら、オヤジ達に、上手い口説き方とか色々聞いとけばよかった。おれの口からはキツイ言葉しか出てこない。
おれの荒い口調に、亮が体を竦めたのが伝わってきた。
自分の不器用さがこれほど呪わしいことはない。
「あー、くそ、本気でそんなに怯えるな。おれがヘコむわ。泣きたけりゃ泣けばいい、好きなだけ、泣け」
ぶっきらぼうに、そう言うことしかできなかった。
亮は、子どものようにしゃくり上げながら、ずっと泣き続けていた。
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