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同僚1~sideまさと~
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またこの面子かよ。
5日ぶりに夜間帯のバイトに入ってみれば、なんの偶然かあの日と同じ顔ぶれにがっくりきた。
嫌な予感しかしねーな、あー、帰りてぇー。
ぶつぶつと独り言を言いながら、バイトに入る。
新人だった女子バイトはまだいい。あれから3ヶ月以上たって、新人らしさが抜けてみれば、よく動くし気も回る。
問題は鈴木だ。あのバカは本当に使えない。この前は客の女を引っかけようとして、その連れの男と揉めたらしい。なんで、そんな奴がクビになんねえんだ。なんか弱味でも握られてんのか、あの店長。
ため息を吐きつつ着替えていると、最悪なことに鈴木も更衣室に入ってきた。舌打ちをしたくなる気持ちを抑えて、適当に挨拶をしておく。
さっさと着替えて仕事に取りかかろう、そう思っていたのに、鈴木はニヤニヤと気持ちの悪い笑顔を振り撒きながら話しかけてくる。
「八嶋さんと一緒って、あの日以来ですよねぇ」
だから、どうした。返事をするのも嫌で、無視したというのに、一向に気にした様子もなく、喋り続ける鈴木。
「覚えてるっスよ・・・ね?あの日、トイレでヤってた奴。・・・オレ、正直男なんて全くキョーミなかったんスけどねぇ・・・」
おれはお前に興味ねえよ。
コック服のボタンが留まりにくくて、苛立ちながら鈴木の話を聞き流す。
「でもあん時の声とか、マジでえろいなぁって聞いてたら、オレ勃っちゃって・・・モノは試し?って感じで、アイツのカードのとこ連絡してみたんスよ・・・んで、そのままホテルへ直行ッスよ。いやー、男にあんなに搾り取られると思わなかったわ。かなり具合良かったッスよ。結構イケるもんすね、男も」
八嶋さんって、経験色々ありそうですけど、男もあるんスか?そう、おれを探るように尋ねてくる鈴木に、一瞬全てぶちまけてやろうかと思ったが、金のことが頭に浮かぶ。
こんなことでバイトに居づらくなって辞めてたまるか、おれは金が必要なんだ。
呪文のように頭の中で何度も唱え、「さあな、お前もとっとと用意しろよ、遅刻になるぞ」と言い捨てて、更衣室を立ち去る。
本当に鈴木のことなんて、どうでもいい。アイツが新しい扉を開けようと、知ったこっちゃない。アナルセックスにハマるノンケの男だって山ほどいる。アナルセックスを強要して彼女に拒絶された、なんて話だって飲み会の下ネタ話で聞いたこともある。
それでも何故か無性に腹が立った。
それが、鈴木のことがムカついているのか、顔も覚えていないあの日の売りの男になのかは、わからなかった。
そもそも鈴木にムカつく理由すら、鈴木が嫌いだという理由にすり替えていたのかもしれない。
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