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戸惑い1~sideまさと~
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純と一緒に暮らし始めてから、もう一ヶ月が経つ。
先週の診察の時には、色んな場所の包帯が取れて、入浴も許可されていた。
全身にあった痣や細かい傷はほとんど姿を消していて、本来の純の姿に戻りつつあるのだろう。
男にしてはきめの細かい肌は白い。風呂に入れない間、体を濡れタオルで拭いていたのだが、背中とか手の届かないところを手伝ってやっていて、何度も変な気分になって困っていた。
預かりもの、コイツは預かりもの。
何度も自分にそう言い聞かせた。
実際に誰かに預かれと言われたわけではなかったが、いくら欲求不満だとはいえ、あれほど傷ついていた純を相手にそういう気持ちになることすら罪悪のような気がしていたからだ。
「お風呂先にありがとう」
湯上がりの上気した頬が可愛いなとか、思ってはいけない感情だ。
頭にタオルを巻いて出てきた純から、僅かに視線をずらす。
「指先、濡れてねーか?」
気持ちを誤魔化すかのように、指の状態を確認する。
なんでこんな怒ったような言い方しかできねーんだ、ガキかおれは。
自己嫌悪に陥るが、純は気にした様子もない。
「ビニール手袋したから大丈夫~・・・ここだけ治りが悪くて嫌になるけど。こんなことならあの時、抵抗しなきゃよかったかな?」
自虐的に笑う純に胸が締め付けられるような思いがした。
「生きたいって思うのは当たり前だろ?それに、必死で抵抗したからおれが間に合ったんじゃねーの?」
もう少し優しく言うこともできたのに、自分のことを諦めているかのような物言いに、切なさと同時に苛立ちもあってつい冷たく言い放ってしまった。
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